課題「挑戦してみよう!店舗のファサードデザイン」では、自分で選んだイメージスタイルが十分表現できているかを大きなポイントとしました。
比較的扱いやすいこともあって、ナチュラルやモダンを選ぶ人が多く見受けられましたが、プロを目指すためにはどんなスタイルもこなせるように、他のスタイルも挑戦すべきです。
またファサードは独立したものではなく、インテリアの表現が自然に外部に流れ出たようなものを目指してください。
この課題では、コンセプトからファサードのデザインまで、一貫した作品を紹介する予定でした。
ところが一方がいいものは結構ありましたが、残念ながら両方ともよいものは多くはありませんでした。コンセプトを考えるのはそれなりに難しいことですが、それを具体的な空間に育てることはさらに難しいと言えます。
日頃から優れた作品に触れ、つくる側の立場で空間構成をよく観察する必要があります。それを自分のものとして消化し、いつでも使えるような引出しとして育てておくことが重要です。
① JAPAN KICHEN(C案) | さわやかな印象を与える作品です。左側の縦の格子と右側の水平を強調したラインの対称が美しい。和の要素も感じられます。 |
---|---|
② グリーン・ヒット | グリーンがポイントになり、天井が暗いことで、包まれた印象を生み出しています。添景を入れることで、雰囲気を盛り上げています。 |
③ Tの森 | ストーリー性があり、楽しそうで、また来たくなります。 |
④ T Baker | 木質を強調するとモダンではなくなりますが、シャープなデザインがモダンな表情が出ています。 |
---|---|
⑤ とどろ | 店名とイメージが一致しませんが、エッジの効いたデザインで、よくモダンが表現できています。 |
⑥ TCカフェ | モダンに近いストイックな表現で、よく和が表現できています。 |
---|---|
⑦ CHOOSE(H案) | 和というよりもアジアンな表情がでています。 |
⑧ シャングリラ(I案) | 行けばいつも何か楽しいことが待っているようで、アジアンをよく表現できています。 |
---|---|
⑨ Caps Lock | 店舗と客席が一体感。アジアンというよりもナチュラルに近い。 |
作者プロフィール
河村容治(かわむらようじ)
元東京都市大学 都市生活学部教授 博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ
主な著書
「インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数