河村容治のインテリアコラム 今から学ぶ、インテリアコーディネート・トレーニング

第2回 カラーコーディネートの基本(2)

色には人の感情に働きかける心理的な効果があります。暖かさ、重さ、派手さなどです(01~03)。
また、それを利用した基本的な配色法をまとめてみました(04~07)。
図の例を見ながらその効果を確認しましょう。
常に色を対比させることや単調にならないように変化をつけることが重要です。

暖色と寒色

  • 心理的な効果の代表的なものとして「暖色系」と「寒色系」があります。文字通り「暖色系」は暖かさを感じさせ、活動的な印象です。

    「寒色系」は涼しさを感じさせ、落ち着きのある印象に見えます。
    また「暖色系」は近くに見えるため「進出色」といい、「寒色系」は遠くに見えるため「後退色」ともいいます。
  • 暖色系と寒色系のカラーコーディネート

    暖色系と寒色系のカラーコーディネート


軽い色と重い色

  • 同じ色相の色でも、明度が高いと明るく、軽くて柔らかい印象になります。
    逆に明度が低いと暗く、重くて固い印象になります。
  • 軽い色と重い色のカラーコーディネート

    軽い色と重い色のカラーコーディネート


派手な色と地味な色

  • 彩度の高い色を使用した場合は派手な印象になり、彩度の低い色を使用した場合は地味な印象になります。
  • 派手な色と地味な色のカラーコーディネート

    派手な色と地味な色のカラーコーディネート


同系色の配色

  • 「同系色」は同じ色相で明度や彩度の違う色を組み合わせる方法です。

    全体的にまとめやすく、失敗の少ないオーソドックスな配色です。
    その反面、おとなしすぎる印象にもなるので、アクセントカラーに反対色や類似色を小物などで加えて変化をつけるとメリハリが出ます。
  • 同系色(茶系・青紫系)のカラーコーディネート

    同系色のカラーコーディネート


類似色の配色

  • 「類似色」は色相環で左右2色ぐらいまでの色の隣り合う色を組み合わせる方法です。

    色同士がけんかせず、無難にまとまる配色です。
    同じ配分で使うとどちらが主役の色なのかはっきりせず散漫な印象になるので、メリハリをつけるように色の配分を考えて組合せます。
  • 類似色(暖色系・寒色系)のカラーコーディネート

    類似色のカラーコーディネート


反対色の配色

  • 「反対色」は色相環で向かい合う色(補色)を組み合わせる方法です。

    反対色同士はお互いを引き立てる配色ですが、どちらも鮮やかだと刺激的で落ち着かない印象になるので注意が必要です。
    ベースカラーとアクセントカラーの組み合わせとして使用すると効果がでます。
  • 反対色(青と黄橙の反対色・赤と青緑の反対色)のカラーコーディネート

    反対色のカラーコーディネート


同一トーンの配色

  • 「同一トーン」は違う色同士でも同じトーンで組み合わせる方法です。

    すっきりとまとめやすい配色のひとつです。
    純色に近いトーンは派手で活発、淡いトーンは優しくフェミニン、暗いトーンは落ち着きのあるシックな印象になります。
  • 同一トーン(淡いトーン・暗いトーン)のカラーコーディネート

    同一トーンのカラーコーディネート

作者プロフィール

河村容治(かわむらようじ)

元東京都市大学 都市生活学部教授 博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ

主な著書

「インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数

バックナンバー