河村容治のインテリアコラム 今から学ぶ、インテリアコーディネート・トレーニング

第20回 照明器具の種類と役割

日本の住まいの照明は、単調だとよく言われます。生活が豊かになれば、照明も質的に変化していくべきです。自分のライフスタイルにあった雰囲気のある照明空間を演出しましょう。

照明器具には明るさを得るためのものと、装飾性やデザイン性の高い、見せるためのものがあります。照明器具の選択には、両者のバランスをとることが重要です。

シーリングライト

  • 天井に直接取り付けるタイプで、照度を得るための照明器具です。部屋全体を均一に明るくすることができます。住宅では多くの部屋で使用されますが、平板なイメージになりやすいので、他の照明器具と組み合わせて使いましょう。
  • シーリングライト

シャンデリア

  • 多灯で装飾性の高い照明器具です。独特の形状を生かすためには天井の高さが必要になります。
  • シャンデリア

ペンダント

  • 天井から吊り下げるタイプの照明器具です。大型のものは天井の高い部屋の全般照明、小型のものはダイニングテーブルの部分照明などに使われます。機能性、デザイン性の両方の要素が要求されます。
  • ペンダント

ブラケット

  • 壁に取り付けるタイプの照明器具です。玄関ホールや階段、居間の壁面等に使用されます。照度をとるよりも、見せる照明として使われることが多いです。
  • ブラケット

フロアスタンドとデスクスタンド

  • フロアスタンドは、床に置くタイプの照明器具です。部分照明や間接照明として利用されます。照明に高さや明暗の変化をつくるときに有効です。
    デスクスタンドは、テーブルに置くタイプの照明器具です。作業用のものと補助的なものがあります。
  • フロアスタンドデスクスタンド

ダウンライト+スポットライト

  • ダウンライトは、下方を照らす天井埋め込み型の照明器具です。器具が飛び出さないので、見た目がすっきりとしています。明るさを得る主光源としても補助的な光源としても利用されます。ウォールウォッシャータイプのものは、壁面を照らします。ユニバーサルダウンライトは、スポットライトが埋め込まれたタイプのもので、角度が調整できます。

    スポットライトは、天井や壁に取り付ける方向性を持った光の照明器具です。絵画や調度品を照らす等、一部を強調したい場合に使用します。




    右図には器具を使ったときの光のイメージが表現されています。狭角は器具直下が一番明るく、広角になると真下の明るさは減りますが、その分、壁側にも光が広かっているのが確認できます。
  • ダウンライトスポットライト

    ダウンライトによる光の分布
    (左から、狭角・中角・広角・ウォールウォッシャー)

      ※図提供:株式会社遠藤照明

和風照明

  • スタイルに合わせて照明を選ぶと、より統一感のあるインテリアになります。この例は、和風の雰囲気をもった照明器具を集めてみました。
  • 和風照明

間接照明(建築化照明)

  • 天井や壁等に照明器具を組み込み、建築と一体化させた照明方式を建築化照明と言います。光源が直接見えず、照度を十分確保することはできませんが、柔らかな雰囲気になり空間を広く見せる効果があります。
  • 間接照明(建築化照明)

作者プロフィール

河村容治(かわむらようじ)

元東京都市大学 都市生活学部教授 博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ

主な著書

「インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数

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