河村容治のインテリアコラム 今から学ぶ、インテリアコーディネート・トレーニング

第24回 用途に応じた照明の配慮(1)

住まいの照明計画で、用途によって配慮すべきポイントをまとめてみました。目的に応じて色温度に対する配慮もしましょう。

基本

  • デザイン性の高い照明器具は、アクセントやフォーカスポイントに使い、機能性の高い照明器具によって実質的な明るさを得ます。床を明るくするよりも、壁側のダウンライトをウォールウォッシャ型にして壁を明るくするほうが、光源の数を少なくしても部屋全体が明るく感じます。
    目の高さや視線が集中するところに明るさを集めます。窓側と部屋の奥とは系統を分けて、自然光との共存もできるようにします。

    いずれも省エネにも有効です。照明器具は状況によって明るさを調節できるようにしておきます(調光機能)。
  • 一般的なダウンライトの照明

    一般的なダウンライトの照明、床が明るい

  • ウォールウォッシャを使った照明

    ウォールウォッシャを使った照明、壁が明るい

  • (資料提供:遠藤照明)

色温度

  • 色温度とは光の色合いを示し、単位をK(ケルビン)で表します。

    ろうそくの赤っぽい光は色温度が低く、曇天の空などの青っぽい光ほど色温度が高くなります。
    白熱灯(2800K)は色温度が低く、蛍光灯のランプの場合は電球色(3000K)、昼白色(5000K)、昼光色(6500K)の順で色温度が高くなっていきます。
  • 電球色のイメージ

    電球色のイメージ

  • 昼白色のイメージ

    昼白色のイメージ

  • 昼光色のイメージ

    昼光色のイメージ

寝室

  • 照明の役割は、心地よい眠りを誘導することです。よくある天井にシーリングライト一つでは、単調な印象となり穏やかな雰囲気を演出できません。ダウンライトで最小限の照度を確保し、ブラケットやデスクスタンドで部分的に作業に必要な明るさを補います。ただし、周囲とあまり明暗差が出ないように気をつけます。ダウンライトは、調光できるようにしておきます。

    寝たときに光源が目に入って眩しくならない照明器具を選び、その位置も特に注意します。入り口とベッドサイド両方から操作できるようにスイッチは3路にしておきます。

    夜中に目が覚めたとき、入り口がわかるように足元灯やダウンライトで最小限の明るさを用意します。
  • 寝室に最適な照明

    寝室に最適な照明

作者プロフィール

河村容治(かわむらようじ)

元東京都市大学 都市生活学部教授 博士(美術)、一級建築士、日本インテリア学会理事 CAD/CGによるインテリアデザイン教育に力を注ぐ

主な著書

「インテリアデザイナーNeoによる 一歩先行くインテリアプレゼンテーションテクニック」(共著・メガソフト)/「3DマイホームデザイナーPROで学ぶインテリアコーディネートトレーニングブック」(BNN)/「3Dインテリアデザイナーによるインテリアコーディネート入門」(技術評論社)など多数

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