分かりやすく簡単に。イラストで解説!
第6回 道路斜線 ~応用編(セットバック緩和)
道路斜線のセットバック緩和とは
- セットバック緩和とは、建物を道路境界線より離れて建てる(=後退する・セットバックする)場合の緩和措置のこと。
- 道路斜線制限の基準となる「反対側の道路境界線」より、セットバックした距離と同じだけ外側に基準を求めることができるので、より高い建物が建築できる。
- セットバック距離の算定において、建物とみなされず緩和される部分がある。
では今から「セットバック」で建物を建ててみよう!
普通は、道路の反対側の境界線から道路斜線をスタートさせるけど、今回はスタート位置が違うよ。
基準となる「反対側の境界線」がセットバック距離と同じ距離だけ外側に移動するよ。
横から見ると右図のようになるね。
普通は、道路の反対側の境界線から道路斜線をスタート※させるね。
でも、セットバックした場合、道路斜線のスタート位置が「反対側の境界線とみなす境界線」からになるんだ。
セットバックした分、大きな建物が建てられるね。
※詳しくは「基本編」をご覧ください。
次は「セットバック(後退距離)」の測り方について、解説しよう!
建物の形はさまざま。セットバック(後退距離)と言っても、どこから測ればいいのか、迷う場合もあるね。
建築物から前面道路の境界線までの水平距離のうち短い距離がセットバックの適用になるよ。
では問題です。
軒、庇(ひさし)、バルコニー、出窓、屋外階段などに見られるこのような建物形状の場合、セットバックは「A」「B」どちらの距離を測るのかな?
軒、庇(ひさし)、バルコニー、出窓、屋外階段などに見られるこのような建物形状の場合、セットバックは「A」「B」どちらの距離を測るのかな?
短い距離で測るので、セットバック距離は「A」だね。
敷地内に複数の建物がある場合、セットバックはどこで測るかな?
短い距離で測るので、セットバック距離はやっぱり「A」だよね。
例えば、小さい物置や門、塀も建築物になるのかな?
物置や門、塀など、既定の要件を満たす建築物は後退距離内に含んでもいいものもあるよ。
つまり、後退距離の算定において、建築物から除かれるんだ。
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建築物をここに建ててみよう。
道路境界線から後退しているね。この距離を「セットバック距離」と言うよ。