分かりやすく簡単に。イラストで解説!
第6回 道路斜線 ~応用編(セットバック緩和)
前編では、道路斜線のセットバック緩和について説明したよ。
後編では、どんなものが後退距離内に含まれる建築物なのか具体的に見てみよう!
物置、自転車置き場、車庫、受水槽等
⇒前面道路の路面の中心から軒高2.3m以下、かつ床面積の合計5m2以内。
開口率(=前面道路に接する部分Aの長さに対して) B/A≦1/5
前面の道路境界線からの後退距離1m以上。玄関ポーチ、車寄せなど壁に囲まれていないもの
⇒前面道路の路面の中心から軒高5m以下
開口率B/A≦1/5
前面の道路境界線からの後退距離1m以上。道路に沿って設けられる門、塀
⇒前面道路の路面の中心からの高さが2m以下
高さ1.2m以上の場合は、1.2m以上の部分が網状その他これに類する形状とし、採光、通風等、道路環境に支障のないもの。隣地境界線に沿って設けられる門、塀
歩廊、渡り廊下、深雪地域での雁木(がんぎ)など
⇒特定行政庁がその地方の気候もしくは風土の特殊性、土地の状況を考慮して規制で定めた建築物の部分
前面道路の路面の中心からの高さが1.2m以下の建築物の部分
- よく迷われるのはカーポートです。概ねカーポートは5m2以上なので、後退距離内には含めません。
- 後退距離は「道路境界線~建物外壁」ではなく「道路境界線~建物の一番近い部分の距離」なので、この場合は軒の先端になります。これらは間違えやすいので、要注意だよ。
軒の出っ張りに注意が必要なんだね。
では問題です。
下の図のように高さや後退距離の要件を満たす物置、自転車置き場、ポーチ等が複数ある場合、後退距離の算定はどのように測るのかな?
下の図のように高さや後退距離の要件を満たす物置、自転車置き場、ポーチ等が複数ある場合、後退距離の算定はどのように測るのかな?
建築物の内容ごとに、合計面積や間口率を計算するよ。
・自転車置き場+ 物置の面積合計≦ 5m2
・それぞれの開口率
(B1+B2)/A≦1/5
(C1+C2)/A≦1/5
・自転車置き場+ 物置の面積合計≦ 5m2
・それぞれの開口率
(B1+B2)/A≦1/5
(C1+C2)/A≦1/5
できるだけセットバックすることで、道路斜線制限の適用距離を広げたいね。そうすることで、街並みも広々した景観になるんだね。
※建築プランニングソフトを使用すれば、立体的に確認しやすくなります。
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以下の建築物は間違えやすいので、要注意だよ!