分かりやすく簡単に。イラストで解説!
第5回 道路斜線 ~基本編~
道路斜線制限とは
- 道路の日照や採光、通風に支障をきたさないように、また周辺に圧迫感を与えないように、建築物の高さを規制したルールのこと。
- 前面道路の反対側の境界線から、一定の勾配で記された線(=道路斜線)の範囲内に建築物を建てなくてはならない。
- 道路斜線は「用途地域」や「容積率」「道路の幅」などで『適用距離』と『適用角度』が変わり、建物の高さと位置が決まる。
では今から「道路斜線」を引いてみよう!
「道路斜線」のスタート位置を拡大して見てみよう。
一定の勾配で線を引いたものが「道路斜線」だよ。
勾配の適用角度は1:1.25(主に住宅系) または1:1.5(主に住宅系以外) の2種類。
※用途地域によって異なります。用途地域別建物の高さ一覧表はこちら
これが「道路斜線」なんだね!じゃあ、この範囲で建てればいいんだ……。
そうか!だから、こんな感じの勾配の建物を見かけるんだね。
いや、それはちょっと昔の街並みかな。
昭和62年以降に「適用距離」というルールが追加されたんだ。
適用距離とは
- 建物が道路から一定距離以上離れていれば、道路に対する影響がほとんどないので道路斜線の適用を受けない。
- 建築物の高度化を促進させ、その代わりに道路に近い部分はできるだけ空間を作りたい理念で考え出された。
- これによって、今までの建築物でよく見られた斜線制限に沿った斜めの外壁が減り、景観が改善されるようになった。
「適用距離」は、「反対側の境界線」から「適用距離」を超える部分は、高さの制限を受けないよ。
※用途地域や基準容積率によって異なります。用途地域別建物の高さ一覧表はこちら
建物を建てられる空間が見えてきたね。
どんな建物にしようかな……。
この図は前面道路ギリギリに建てる場合の説明だよ。
境界線より後退(=セットバック)して建てる場合は「緩和措置」を受けられるよ。
お向かいさん、これでどうですか?
良かったぁ。お日さまも当たるし、風も通るね♪
ここまでが、基本的な「道路斜線」の考え方だよ。
もっと知りたい人は、応用編も見てね。
← 第4回 絶対高さ
第6回 道路斜線 ~応用編(セットバック緩和) →
上から見ると前面道路の「反対側の境界線」は、赤色の線だよ。
横から見ると右図のようになるね。