VOL.4変更ありきでスピード勝負。完成形からはじめるインテリア提案に3Dデザイナーシリーズは最適
インテリアデザイナー&コーディネーター
松本佳津 氏
建設業のご実家でインテリアの仕事をはじめ、ご夫婦で独立(株式会社マツドットコムアイエヌジー)。大学で教員としてインテリアを教えながら、大学院にて学び、遂には博士号を取った松本佳津さん。研究結果をもとに高齢者に快適なインテリアを提案する「100歳住宅」構想を立ち上げ、住宅・クリニック・オフィスの戦略的活性化、インテリアを切り口にしたコンサルティングを請け負う。
その活動の始まりの頃から今日まで、3Dデザイナーシリーズをお使いいただいている理由を伺いました。
導入理由
- 「こんなはずじゃなかった」が減る
- 「これで良いか」を確認するのためのインテリアパースを”早く”描ける
- 学生たちにも「完成形から話をすることが大事」を伝えたい
以前は3Dマイホームデザイナー、現在は3Dアーキデザイナーをお使いとのこと、ありがとうございます。3Dデザイナーシリーズを使い始めたきっかけを教えてください。
- 松本氏
もう20年くらい前なのですが、新築のお客様が 「3Dマイホームデザイナーの家庭版で間取りを描いて立体化しました」 って外観パースを持ってこられたのです。家庭版ですし一般の方なので、さほど美しいパースではなかったのですが 「そういうソフトがあって、こんなのが描けるってことがすごい」と思い、探してPRO版を購入しました。
当時の建築業は、お客様の意向はちょっと横に置いておいて、建築とはこういうものだからと、プロ主導で進めるという印象で、なんか違うんじゃないかというモヤモヤ感がありました。 前職でお客様第一という考えをたたき込まれていたのもあって、建築は出来上がりのイメージから始めた方がいいんじゃないかと思っていたのです。 3Dマイホームデザイナーはその思いを形にできる道具だと思いました。
【商業施設のプランニング例・3Dマイホームデザイナーで描いたイメージパース(左)と完成写真(右)】
そのときの松本さんのお考えは受け入れられたのでしょうか?
- 松本氏
当時、建設業の方たちのグループからのオファーで、インテリアの話をしに行ったときに、まず「わたしのやり方はアプローチが違う」という話をしました。
普通の建設業は基礎を作って外観を作ってサッシが入り、中を作っていく。お客様にもその順番でどうしますかって話をしていく。
そうするとお客様は最終形がどうなるかがまったくわからないままだから、完成したら「なんか違う」ってなってしまうんだと。
一方、私は、こういった暮らしがしたいからどうするかから始めていて「そのためにパースを描いています」というお話をして、実際に3Dマイホームデザイナーで描いたパースもご覧いただきました。
皆さんとても驚いていらっしゃいましたが、その後、彼らからお仕事のお話もいただいたので、共感いただいたのだと思います。同じころ、SNS経由でお医者様から待合室のインテリアのご相談をいただきました。
お話を伺って、お預かりした図面からパースを1枚描いて見ていただいたらそれを気に入ってくださって。それがインテリアで初めての大きな仕事になったのですが、間違ってなかったと思いました。その時の決め手は3Dマイホームデザイナーで描いたパースでしたね。
【JAPANTEXデザインコンペで優秀賞を受賞された松本氏のプラン。パースはもちろん3Dマイホームデザイナーで作成】
インテリアコーディネーターの第一歩を踏み出すお手伝いが出来たということですね。光栄です。
でも確かに完成形がわかっていると安心感がありますね。
- 松本氏
そうなんです。「こんなはずじゃなかった」がホントに減る。
先のお医者様も担当の設計士に「カジュアルなカフェみたいな待合室にしたい」と要望を言うと「今どきのクリニックはそうじゃなくて…」とわかってもらえなかったそうなんです。
当時はパースを描くことが少なかったのでしょうか?
- 松本氏
当時のパースは完成予想図という外観図として描かれていたと思いますが、額に入れて飾る作品的なイメージです。
一方、インテリアパースはこれでいいかを確認するのためのもので、作品ではないし、変更になる可能性がとても高い。
だから、インテリアパースを描くには3Dマイホームデザイナーがよかったのです。
手描きで半日かけてパースを描いたのに、ちょっと違うって言われたらまた半日…と思うとしんどくなりますよね。今は3Dアーキデザイナーで全体をざっくり作って、見せ場のコーナーだけを作り込んでわかりやすくして、色が変わるとこうなるってことを見ていただくために使っています。とにかく早く見ていただくことを優先しています。
【住宅インテリアのイメージパース。見せ場のコーナーを作り込んで、早く、わかりやすく、を心掛けている】
- 松本氏
それには理由があって、お客様のモチベーションがあがっているときに「これ!」というものを提案するとスッとゴールに向かえるのです。
ところがいったん持ち帰りにすると、その間にお客様のモチベーションが下がってきて、コストや他のことで迷ったり悩んだりしはじめてしまう。
そうなった後で打ち合わせに行くと、前回のはやっぱりやめてコストも抑えて…と決断ができなくなってしまうのです。いったん落ちたモチベーションをもう一度上げるのも大変。だからスピード感は本当に大事なんです。
「早く」ということにはそういう理由もあるのですね。
ところで、松本さんは大学教授でもいらして、大学にも3Dマイホームデザイナーをご導入いただいていますね。
- 松本氏
最初1台だけ入れて授業で使ってみたら学生たちの反応がとても良かったのです。その時の様子を見ていた事務方が「あのソフトを全部のPCに入れたらどうですか」って後押ししてくれて、導入が叶いました。
今の人たちはビジュアルで育っているので描くことに抵抗ない子が多いし、生まれたときからパソコンやスマホがある世代ですのですぐに使い方も覚えて使いこなしています。
だから学生たちにはまずたくさん描かせています。
【愛知淑徳大学・松本先生の授業の様子。パソコン室(左)とプレゼン大会の様子(右)】
衣服のデザインは、まずは人が着ているイメージをたくさん描いて、その中からいいものを選んで、パターン図を起こして作っていきますから、インテリアもそれと同じなのですね。
- 松本氏
そうです、そうです!
私は学生たちに「完成形から話をすることが大事」ってことを伝えたいんです。
だから、ササッと描いて立ち上げられる3Dマイホームデザイナーは教材としてもとてもいいんです。
松本さんのお考えにもあっているんですね。ご自身のお仕事にも、大学での教材としてもご活用いただいているというお話、大変うれしく思いました。貴重なお話をありがとうございました。
「この仕事を絶対続けていこうと思ったお仕事があります。」と松本さんのインテリアへの思いがうかがえる印象的なお話を伺いました。
「新築のお宅だったのですが、お子様がご病気でお医者様からは数年しか生きられませんと言われていたそうなんです。
親御さんは『この子はあと何年生きられるかわからないけれど、よい人生だったって思えるようにしてあげたくて、そのために自宅のインテリアも良いものにしたい』とご依頼いただいたのです。すごく悩みましたが、私なりに答えを出してご提案しました。
実はそのお子様、20歳を過ぎて今もお元気でいらっしゃいます。
インテリアって環境で、それによって人を良くも悪くもするんじゃないかって思いました。もちろん、親御さんのご努力やお医者様の治療あってのことだと思うんですが、インテリアも一役を担っているんじゃないかと強く感じました。
人がずっと豊かでいられるって大切なことで、それには長い時間を過ごす空間で目に入るものの役割は大きくて、そこを充実させてあげるのは大事だなと思います。
毎回いろんなお客様と出会います。一つとして同じものはまずないです。
過去のデータで『こんなことやってます』とは言えますが、それはそのお客様にとっては他の人の家、お客様は”私の”が見たいですよね。そう思うと毎回毎回気持ち新たにお客様に向き合っていかなければいけない。
やりがいがあるし、責任の重い大事な仕事だと思っています。」
ご紹介まで。(広報室)
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