番外編.1BIMユーザーが3Dアーキデザイナーを使ってみたら
WONDERLAST
一級建築士/BIMコンサルタント
深見 有希 氏
図書館司書の資格を持ち、一級建築士でBIM使い。そんな人が日本にいったい何人いるだろうか。
初めてお会いした時に「BIMって何?」と伺ったところ、「CADやモデリングソフトというより、EXCELやAccessに近いもの」という答えが返ってきた。
そんな深見さんとひとしきりBIM話をしたのち、3Dアーキデザイナーを使ってみていただきたいことをお伝えしたら、「興味あるんです、御社のソフト」という答え。50日間限定で「3Dアーキデザイナー」をご試用いただきました。
■BIMコンサルタントのお仕事
深見さんはBIMソフト・Revitをお使いですね。
- 深見さん
はい、そうです。
Revitの導入をご検討中の方に、「BIMってどうなの?」というところからご説明し、導入方法のあれこれをご案内しています。
今は導入後のユーザー向けにRevitを確実に使えるように教材を作っているところで、今後はその教材の販売と顧客教育に向けてのサポートもしていきたいです。
また私自身もBIMオペレーターとして、データの作成やメンテナンスなどもしています。BIM/Revitの難しいところは、1,2か月研修を受ければ完璧に使えるかというと、それは無理なんです。 そのあとのフォローも必要であろうということで、作図のお困り相談まですべて請け負いたいと考えています。
■こんなに簡単に建物が建つのか!!くらいな感じで(笑)
そんな深見さんが3Dアーキデザイナーをお使いになってみていかがでしたか?
- 深見さん
とにかく3Dアーキデザイナーは操作性がいいと思いました。
Revitは間違いなく分厚いマニュアル本を読まないと何も始められないのですが、操作マニュアルを見なくても、ここにある部屋をこっちに持ってきたら部屋ができるし、引っ張れば大きさを変えられるし、すごく簡単だなと思いました。
こんなに簡単に建物が建つのか!!くらいな感じで(笑)
そこは素晴らしいと思いました。確認申請図が一式出力できたと思うんですが、あの中で法規チェック図もあったらとは思いました。
図面の種類が多いほうが作業する人が、それこそ下書きだけでもいいので出力できれば、楽なのになと思いました。
それと、出力された詳細図を編集するときは、みなさんどうされているんでしょうか?
3Dアーキデザイナーのクラウドライセンスには確認申請図作成支援機能が標準搭載されています。
3Dアーキデザイナーには2DCAD機能があるのでそこで図面を仕上げられるのですが、多くのユーザーは使い慣れた2DCADで入力しなおしているんじゃないかなと思っています。
- 深見さん
3Dのモデルがあるのに図面と別データなのは修正した時に整合が取れなくなる、それは残念でもったいない使い方ですね。
建築を学んでいない人間でも簡単に作れるというのはすごい長所だと思います。
BIMはいろんなことを覚えて、考慮しないと使えないソフトなので、概念が違う。CADでもないし、BIMでもないし、すごくいい位置にいらっしゃるなと思いました。
■BIMが日本で普及しない理由
ところで、10年くらい前からBIM推奨の動きがありますが、日本でなかなか浸透していかない理由は何だと思いますか?
- 深見さん
-
私は操作性の問題と、メリットが明確に見えてこない点だと考えています。
私は説明をするときに手描き図面世代を第1世代、CAD世代を第2世代、BIM世代を第3世代、と呼んでいるのですが、手描きからCADというのは明らかなメリットがありました。
図面修正や作図が速い、正確にキレイな図面が描ける、細かいところまで作図できるなど、目に見えたメリットがあったので、5~10年ほどで入れ替わってしまった。
でもCADからBIMへは、そこまでのメリットが見えてこない。「BIMってどこまで普及しますか?」というのもよく聞かれますが、正直まったくわからないというのが本音です。
もしかしたら、BIMの次の第4世代が出てきたときに、BIMを通り越してそっちに移行していく可能性の方が高いのではないかと思っています、第4世代がどんなものなのかはわかりませんが。あと、Revitはアメリカのソフトなので、日本の建築基準法には準拠していないのです。
日本の建築基準法に準拠させるためのプラグインが提供されていますが、有料ですし、物足りないと感じる部分もあります。ですから日本のユーザー向けにお安く使いやすいプラグインが出揃えばBIMの普及には一役買うと思います。
■BIMっぽく使われている3Dデザイナーシリーズ
施主向けの3Dマイホームデザイナーの販売開始から20年、その頃に3Dマイホームデザイナーを使って家を建てた施主がそろそろリフォームやもう一度新築する頃で、以前のデータを使って再検討しているようなんですね。
すごくBIMっぽくないですか?
- 深見さん
-
ホントですね!
それが、本来私たちが目指さなければいけないところなんですけど、そこまでなかなか行けてないですね。
また、BIMの場合はデータの中に図面情報だけではなくて、設計した会社のノウハウが含まれています。それを他の施工会社に渡すと長年かけて培ってきた自社のノウハウが流出してしまうことになりますから、基本的にはデータ渡しはしないんです。
そこらへんも考えると理想的な環境にはなっていないのかなと思います。
じゃあ、3Dアーキデザイナーでいいんじゃない?って思ってしまいますね
- 深見さん
-
そうなんです。
今回出した結論ってまさにそこで、御社のソフトがBIMじゃないってことがウリになってくると思うんです。
BIMって難しいしお金もかかるしいろんな問題もあるんですけど、メガソフトさんの3Dアーキデザイナーでしたらそういった問題が解決できるんですよ。
特に戸建て住宅においては、部材の数が多いのでRevitは全く適していないと思っています。
深見さんがこの日のために用意してくださった、BIM-3Dアーキデザイナーの比較表
■BIMの次のオブジェクト指向のソフトに期待すること
BIMはオブジェクト指向のソフトウェアですよね。設計をされる方は基本的に線を引く人たちなので、オブジェクト指向への切り替えがしにくいんだろうなと思っています。弊社のソフトは設計専門ではない人の方が覚えるのが早いんです。
- 深見さん
-
私たちも「BIMってCADを長い事使っている人の方が覚えるの速いですよね」ってよく聞かれるんですが、むしろそれは逆で、CADを使っていない人の方がBIMを覚えるのは早いです。
先日、大学生が「CADで線を引いても平面と立面がリンクしない」ってびっくりしていました。
彼らはモノって当然3次元で成り立っていて、こちらで建具を動かせば、他の場所でも一緒に動くのが当たり前になっている。頭の中がもうBIMに近い状態なので、そういう人の方が理解も早いです。
そうすると、オブジェクト指向のソフトウェアが標準化するのは20年後くらいって気がしますね。さっきのBIMの次の何かはやっぱりAIなんでしょうか?意匠設計ができれば詳細図はAIが描いてくれそうですよね。
- 深見さん
-
そうですね。
図面を描くという作業が減れば、検討するところに時間を割くこともできますし。日本の建築基準法をきちんと満たしているソフトができて、そのソフトで描いた図面やデータを行政に送ったら、行政にチェックソフトがあってそれでチェックができてしまう。 審査が早いし、行政とのやり取りが削減できるので、「だったら楽だね」って導入は進みそうですね。
BIMや3Dソフトは(建築において)メリットが大きいというのは間違いないことで、これからの時代間違いなく求められていくと思います。前向きに取り組んでいただければ、楽しい未来が待っていると思いますので、みなさんと頑張っていければいいと思っています。
今回は、3Dアーキデザイナーのご試用と貴重なお話を、ありがとうございました。
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