カラーコーディネートの配色パターン
その3つめは「類似性の原理」です。「共通性の原理」とも呼ばれています。色相やトーンに共通性がある色は調和するという原理です。
3. 類似性(共通性)の原理
色相の類似
異なるトーンから同じ色相(カラー)を選びます。
カラー(色相)を統一した多色配色です。「ドミナント」とは「支配する」という意味で、同じ色相でまとめて、トーンで変化を付けます。明度差が小さい組み合わせで、よりまとまった印象の配色です。
例えば、「初夏の爽やかな海」をイメージしたブルー系、「秋の紅葉や落ち葉」をイメージしたブラウン系など、季節ごとの雰囲気を表現しやすいので、インテリアだけでなくウィンドーディスプレイの配色にも適しています。
また、鎮静効果や癒しの効果があるブルー系ドミナント・カラー配色を寝室に、温かみのある暖色系ドミナント・カラー配色のファブリックを北側の寒い部屋に使用するなど、色が持つ心理的イメージを空間に取り入れましょう。
(例)夏をイメージした青系のドミナントカラー
(例)秋をイメージした茶系のドミナントカラー
カラー(色相)を統一した配色です。「トーンオントーン」とは「トーンを重ねる」という意味で、同じ色相でまとめてトーンで変化を付けます。明度差を大きく変化させた濃淡の配色です。
インテリアは平凡になる傾向がありますが、ベースカラーとアクセントカラーとして取り入れるとバランスが良く、穏やかで落ち着いた配色になります。
(例)色のイメージ:華やか、エレガント
(例)色のイメージ:穏やか、平和
トーンの類似
同じトーンから異なる色相(カラー)を選びます。
トーン(色調)を統一した多色配色です。「ドミナント」とは「支配する」という意味で、同じトーンでまとめて、カラー(色相)で変化を付けます。
トーンの持つイメージを強く印象付ける配色です。色相が異なるのでにぎやかさが感じられますが、トーンを揃えることでまとまりのあるカラーコーディネートになります。
例えば、ベビー用品売り場は「優しい」「可愛い」イメージのベリーペールトーンに。
円熟期のご夫婦の部屋は「大人っぽい」「重厚感」イメージのダークトーンなど、空間のイメージ優先でカラーコーディネートしやすい配色です。
(例)ベリーペールトーンのイメージ:優しい、かわいい
(例)ダークトーンのイメージ:大人っぽい、重厚感
トーン(色調)を統一した配色です。「トーンイントーン」とは「トーンの中」という意味で、同じトーンでまとめてカラー(色相)で変化を付けます。明度差が小さい組み合わせで、ドミナント・トーン配色より統一感を出しやすい配色です。
明確な違いはありませんが、トーンのイメージが優先で配色する場合は「ドミナントトーン配色」、ある色にトーンを合わせる場合は「トーンイントーン配色」という考え方をすることもあります。
(例)ペールトーンのイメージ:爽やか、澄んだ
(例)ライトグレイッシュのイメージ:上品、落ち着いた
濁色系トーンを中心とした中明度・中彩度の中間色(ダル、ソフト、グレイッシュ、ライトグレイッシュ)でまとめた配色です。色相は自由に選択できます。
「トーナル」とはフランス語で「単色画法」という意味です。
中間色はグレイを含んだ落ち着いた趣のある色なので、「素朴、穏やか、控えめ、落ち着いた」などのイメージを与えます。和風やエスニックなイメージの空間にも向いています。
色相・トーンの類似
同じトーン、または類似トーンから色相、明度、彩度の差がほぼ同じ色を選びます。
色相、明度、彩度の差がほぼ同じで、遠くから見ると同じ色に見えるようなあいまいな配色です。
「カマイユ」とはフランス語で「単色画法」という意味です。
区別がつかないほど微妙な違いしかない色同士の組み合わせです。
ファッションでこの配色を使う場合は、同色の異素材を重ねて楽しみますが、インテリアで使用すると単調な組み合わせで、強烈に色の印象を与えます。
カマイユ配色よりも、色相やトーンに少し差をつける配色です。
「フォ」とはフランス語で「偽りの」という意味なので、「フォカマイユ」は「カマイユ」に対しての偽物という意味。
適度に色の差があることで、カマイユ配色よりはコーディネートしやすいでしょう。
インテリアは平凡になる傾向がありますので、補色関係のアクセントカラーなどを取り入れると空間が引き締まります。