カラーコーディネートの基礎
例えば、同じ「赤」でも明度や彩度の高さ、低さ、つまり「トーン」によってずいぶん印象が異なります。
元気を与えてくれる鮮やかなビビッドカラー
活気を与える、目立たせる効果があるので、商業施設に用いられます。居室のインテリアに多用すると、色の洪水になって落ち着かない印象になってしまいます。また、カーテンなど広い面積でビビッドカラーを使用すると部屋が狭く感じるので、ご注意を。差し色に少量使うと、視線を集めるフォーカルポイントになり、部屋が活き活きとするので効果的です。ビビッドを多用すると「ポップ」に、ブラック&ホワイトのモノトーンの部屋に1色だけアクセントカラーとしてビビッドを用いると、かなり「モダン」な印象になります。
【インテリアテイスト】ポップ・モダン
明るく、健康的で陽気なイメージのライトトーン
子供はビビッドカラーのようなカラフル色を好むと思われがちですが、興奮してしまい落ち着いて勉強できないトーンでもあります。年齢が上がるとともに落ち着いて勉強できる環境も必要です。こちらのライトトーンのように少し穏やかで清涼感のあるカラーをぜひ子供部屋に取り入れましょう。ブルー系でまとめた部屋なら、勉強に集中でき、過ごした時間を短く感じる効果があると言われています。
【インテリアテイスト】ポップ・キュート・カジュアル
ビビッドよりも少し深みがあり、強烈な強さを感じるストロングトーン
大胆な外国のインテリアには壁面や大きめの家具にセンス良くストロングトーンを取り入れられていますが、日本の狭い居室に使用するとインパクトが強すぎて、部屋が狭く感じるかもしれません。大きめの窓、高い天井で開放感あふれる部屋にぜひトライしてみてください。
【インテリアテイスト】ポップ・カジュアル・アメリカンスタイル
力強さと深みがあり、安定感のあるディープトーン
上質な木質系家具のブラウンと相性の良いトーンなので、アンティークやヴィンテージが似合うインテリアのファブリックにおすすめです。また、藍染めや漆塗り、柿渋家具など日本の伝統的なアイテムにもディープトーンがたくさんあります。
【インテリアテイスト】シック・アンティーク・レトロ・ヴィンテージ・ジャパニーズ(和風)
爽やかで澄んだ印象のペールトーン
パステルカラーとも言われるこのトーンは、やさしいイメージでリラックス効果があり女性に人気です。ホワイト + ペールトーンのインテリアは、部屋が広く見える効果がありますが、子供っぽい印象になりやすいので上質な素材を厳選してみましょう。ペールトーン(パステルカラー)に、ほんの少しグレーを加えたスモーキーなペールトーンなら大人っぽさがプラスされます。
【インテリアテイスト】キュート・ポップ
中彩度、中明度なので、穏やかで優しい雰囲気のソフトトーン
オーク、タモ、メープル、ブナなどの明るい色の木製家具との相性が良く、ナチュラルテイストや北欧風インテリア、子供部屋にも取り入れやすいトーンです。親しみを感じる色でもあるので、たくさん人が集まるアットホームなインテリアになりそうです。
【インテリアテイスト】北欧テイスト・カジュアル・ナチュラル
鈍い色という意味で、一般的に「中間色」と言えばこちらのダルトーン
地味な色だけに目立たない分、素材の善し悪しが際立ちます。深い味わいを醸し出すトーンでもあるので、歳を重ねたご自身とも重なる壮年層の方に人気の落ち着きのあるシックなトーンです。
【インテリアテイスト】シック・レトロ・ヴィンテージ・クラシック
大人っぽい円熟した印象で、渋いイメージのダークトーン
ウォールナットやローズウッドなどの濃いブラウン色の木製家具やアイアン、レザーといった素材とも相性が良いので、アンティークやヴィンテージ、ミッドセンチュリーテイストにも取り入れやすいトーンです。
【インテリアテイスト】クラシック・レトロ・アンティーク・ヴィンテージ
純色(ビビッド)に最も白を多く混ぜたベリーペールトーン
生まれたての赤ちゃんを想起させる、かわいくて柔らかい雰囲気から、ベビー用品売り場などはベリーペールトーンでコーディネートされているのを見かけます。ただし、赤ちゃんの目は大人のように発達していないので、淡くて薄いベリーペールトーンは認識できません。赤ちゃんが過ごす居室では、アクセントとして冴えたトーンのビビッドカラーで美しい色の刺激も与えましょう。真っ白は緊張感が高まるので、優しい雰囲気からペールトーンやベリーペールトーンが病院や福祉施設のインテリア、スタッフのウエアにも取り入れられています。
【インテリアテイスト】キュート・スイート
light grayish
適度な明るさと落ち着きを感じるライトグレイッシュトーン
畳や土壁、柱や天井の木目など自然素材で構成される和室は、このライトグレイッシュトーンが中心です。ゆったりと長い時間を過ごす部屋に適したリラックスできるトーンです。日本の洋室は当たり前のように白い壁が多く採用されていますが、白い壁は光を反射するので、目に突き刺さり、落ち着かず疲れやすいと感じる人もいます。洋室もぜひライトグレイッシュトーンを用いて、リラックスできる空間づくりを心がけましょう。
【インテリアテイスト】ジャパニーズ(和風)・フレンチ
渋みや穏やかさを感じるミディアムグレイッシュトーン
くすみのある曖昧な色がアンニュイな雰囲気にもぴったりで、古めかしい風合いの素材ならフレンチカントリーやシャビーなインテリアに似合います。また、適度なグレーとの混色なので、やわらかい雰囲気ながら都会的で洗練された印象も与えます。シルバーの小物などとも相性が良いでしょう。ミディアムグレイッシュトーンは、汚れが目立ちにくいのもおすすめポイントの一つです。
【インテリアテイスト】フレンチ・シャビー・スタイリッシュ・モダン
dark grayish
気品がありクラシカルな雰囲気や高級感を漂わせダークグレイッシュトーン
ダークグレイッシュトーンはソフトトーンやペールトーンとも相性が良く、新鮮な印象のコーディネートになります。渋い色目なので、ご年配の方が好みそうですが、低彩度の色は視力が弱い方にとっては判別しにくい(視認性が低い)色合わせなので、同じトーンばかりの組み合わせではなく、機能優先や危険な場所は、ビビッド、ライト、ストロングなどのはっきりわかる色を組み合わせましょう。
【インテリアテイスト】シック・クラシック・アジアン
純色(ビビッド)に最も黒を多く混ぜたベリーダークトーン
堅牢な雰囲気で、落ち着きと重厚感が漂う一方、その重々しい圧迫感で部屋が狭く感じたり、くつろげないという方もいらっしゃいます。効果的な使用方法としては、ぼんやりと間の抜けた白い部屋の一面だけでもベリーダークトーンにすることで空間を引き締めたり、お気に入りの白い家具を際立たせることができます。また、ムーディーな部屋を演出するのにベリーダークトーン&間接照明もおすすめです。
【インテリアテイスト】クラシック・トラディショナル