自分で購入しているわけではないが、メガソフトの社員は基本的にMIFESユーザーである。
入社1日目には自社の全製品をインストールするのが習わしなので、必ず社員のパソコンにはMIFESがインストールされている。
開発チーム、Webチーム、サポート担当はもちろん、総務や経理、営業担当も日々MIFESを使って仕事をしている。
メガソフトの社内
平日の夕刻、休憩時間にこんな写真を撮ってみた。
(画面の色が全部青なのは撮影用)
ここで、MIFESやSTARFAX、マイホームデザイナー、オフィスデザイナーなどの製品が企画・開発されている
そんな中で、われわれMIFESチームの席から2つ隣りに「コンテンツグループ」(以下、コンテンツG)の島がある。
コンテンツとは、弊社製品のマイホームデザイナーやオフィスデザイナーなどに収録されている「パーツ」と「テクスチャ」のことである。
これらの製品は家やオフィスのレイアウトイメージを作成するソフトで、部屋やオフィスに家具や建具(ドア・窓など)のパーツを配置することができる。また壁や床には木目やタイルなどのテクスチャ(柄)を貼ることができ、よりリアルな空間をデザインできるソフトウェアである。
コンテンツGはその名前のとおり、これらの製品に収録されているコンテンツを作成するチームである。絵を描くプロたちのはずなのだが、MIFESを使っているのもよく見かける。
ということで、2つ隣りの島で取材を行った。
パーツはどんなふうに作成しているのだろう。
同じパーツの2次元シンボルと、3Dイメージ
「2次元シンボル、3Dイメージ、スペックをそれぞれ別々に作成し、3つが揃ったら1つのコンテンツに仕上げます。
ご協力メーカー様の製品の場合は、担当者様にも必ず確認していただきます」
「パーツは、間取り画面で見える2次元シンボルと、立体化したときに見える3Dイメージ、スペック(品名や型番、サイズなどの文字情報)で構成されています」
マイホームデザイナーシリーズでは、現在33社のご協力メーカー様から定期的に情報をいただき、コンテンツの製作や改廃情報の更新を行う。ご協力メーカー様からお預かりする図面や製品仕様をもとにコンテンツを製作するのだが、資料だけではイメージできないこともあるという。
「ショールームにお邪魔して、写真を撮らせていただいたり、細かい部分のサイズをメジャーで測らせていただくこともあります」
「それで、写真を定規で測ってるんですね?」
「そのとおりです。見られてましたか(笑)」
ここまで聞くとますますテキストデータを扱う場面が想像できないが、MIFESではどんな編集をしているのだろう?
右上にある玄関ドアを配置中の画面
片開きのドアは、配置の時に1〜4のいずれかを選んで配置できる
「ずーっと2次元シンボルや3Dイメージを描いているわけではないです。みんなと同じようにメールや資料の原稿も書くのでMIFESも使っています。
コンテンツに関していうと、建具の2次元シンボルですね。これはMIFESで作っています」
家具などの2次元シンボルは「絵」なのだが、建具の2次元シンボルは「絵」ではないという。それは建具は配置するときにその幅、高さ、配置の向きを変更できなければならないからだ。
たとえば片開きのドアの場合、配置する向きが4方向あり(右図参照)、すべてのパターンを「絵」で用意すると、パーツの数が多くなってしまう。また後からドアの開く方向を変えたくなることもある。
そのため、建具の2次元シンボルは「絵」ではなく、テキスト形式の定義ファイルをもとに形状を作図する仕組みになっている。形状が複雑なものもあり今のところツールがないので、定義ファイルはキーボードを叩いて作成しているのだという。
つまり建具の2次元シンボルは1つずつMIFESで作っているのだ。
「そんなに難しいものではないです。慣れたらだれにでも作れますよ」
そのとなりで、他のスタッフが首をブンブン横に振っている。それほど簡単ではないらしい。
その他にはどんなデータを扱うのだろう。他のスタッフにも聞いてみよう。
「個人的に作成している作業用のファイルですが、パーツのスペックなどをCSVファイルで整理しています。
表計算ソフトのほうが表になっていて一見きれいなんですが、検索した文字列や変更した行の色が変わらないので、修正しないといけないところや、修正した箇所の確認ができるMIFESを使っています」
「実は、間取りから立体化したときに自動設定される内・外装情報はテキストデータなんです。専用ツールを使って作成できますが、1か所ずつしか変更できないので、まとめて色目を変えるときなどはMIFESです。
正規表現検索で【置換】すると、一斉に変更できるのでツールで修正するより確実です。このファイル用にコメントやキーワードを色設定してあります」
マイホームデザイナーにも、テキストデータは大切な存在なのだ。
キーワード定義機能を利用して、コメント部分と必ずチェックしないといけない部分を色替え表示している
こうすることで、データのブロックがよくわかり、また見落としも少なくなる
現在製品に収録されているコンテンツはマイホームデザイナーで約10,000点、オフィスデザイナーで約3,000点という。数が多いので管理は大変なように思うが。
「管理に関しては、ツールもノウハウもあります。簡単ではありませんが難しい作業ではないです。
それよりもどんなパーツをどれくらい収録するかのバランスが難しい。
ご協力メーカー様の最新製品をたくさん収録すればよいというものではないので」
つまりユーザーが欲しいテイストのパーツやテクスチャを"まんべんなく"収録しなければならないというのだ。何か、判断材料はあるのだろうか。
「マイホームデザイナーには、配置されたコンテンツのランキングがわかるシステムがあり、そこから得られる情報がとても参考になります。ただ、流行に左右されるものなので、ランキングだけでなくいろいろな情報をもとに検討しています。
あと、コンテンツGがWeb上で運営しているデータセンターにはリクエストコーナーがあって、たくさんリクエストをいただいています。このリクエストも参考になります」
マイホームデザイナーのパーツパレット
カテゴリに分けてあるが、なかなか見つけられない場合もあるようだ
なるほど、ランキングやリクエストは即ニーズでもあるわけだ。
では、これから課題としていきたいことはなんだろう?
「リクエストにはできるだけお応えしたいのですが、どうしてもリクエストの多いものからしか対応できないのが現状です。"電動ろくろ"や"ろくろを回す人"など、面白いリクエストもたくさんあって、個人的には作ってみたいんですけどね。
それと、ときどき製品に収録されているパーツが欲しいというリクエストがあります。実はこれが一番問題だと思っています。
製品では、コンテンツをカテゴリに分類して収録していますが、そのカテゴリが探すときのキーワードにマッチせず、見つけられないんでしょうね。
収録数が増えるとますます見つけにくくなりますから、今のうちにこの問題に取り組んでおきたいと考えています」
MIFESにも似たような問題がある。機能や設定項目になかなか気付いていただけないのだ。
操作に手順があるなら「次はここをクリックしてください」とガイドを出すこともできるが、決まった手順はないので分類やドキュメント類でフォローするしかない。
たくさんあることと、見つけやすくすることは、常に一緒に存在する課題。「『気づけない』は『無い』と同じ」というのが、メガソフトの考え方でもある。
同じような問題点が見つかったので、「解決方法を一緒に考えてみよう」と意気投合して、今回のインタビューを終了した。(聞き手:メガソフト・Z)
新型インフルエンザの影響で、急遽社内取材をすることになりました(メガソフトの本社は大阪なのです)。
毎日同じフロアにいるので、コーヒーコーナーで雑談したり一緒にランチに行ったりもするのですが、あまり突っ込んだ仕事内容までは聞かないもの。特にコンテンツGとMIFESチームには仕事上の接点がないので、「いつも忙しそうな人たち」という認識でした。今回の取材では兼ねてから気になっていた「定規で写真計測」や「ショールームへ直行」のこともクリアになり、パーツの仕組みも知ることができておもしろい取材となりました。
冒頭の写真撮影の時には、「どこに使うの?」と言いながらみんな仕事の手を止めて協力してくれました。これだけMIFESの画面が並ぶとなかなかの迫力で、満足しています。
みなさんのオフィスではどのくらいの方がMIFESをご利用でしょうか?
他の方のMIFESをのぞいてみると、面白い発見があるかもしれません。
さて、オフィスでの大量導入には、ライセンスがお安く便利です。ぜひご利用ください。