広島駅にほど近い場所でありながら牛田緑地の豊かな緑に包まれた立地に比治山大学短期大学部はあります。
同学部の総合生活デザイン学科は、「総合系列群」と「栄養士養成系列」があり、「総合系列群」では、「ハウス・インテリア」、「フード」、「テキスタイル」、「情報コミュニケーション」の4つの系列から、学生が学びたい授業を選択し、各々が目指したい進路・資格取得にマッチした科目が学べるようになっています。
こちらでは、3Dマイホームデザイナーを1999年からいち早く導入し、「ハウス・インテリア」系列の授業を中心に幅広く活用されています。
今回はインテリアデザイン担当の岩村穂波教授と住・インテリア設計製図担当の迫垣内裕教授にお話をお伺いしました。

活気があふれるイキイキした授業の雰囲気

参観させていただいたのは岩村教授ご担当の1年生のインテリアコーディネートの授業。今回の課題は指定の間取りを使ってキッチン、リビング、和室などの各部屋をインテリアデザインするというもの。学生たちはコンピュータ室で3Dマイホームデザイナーを使いこなしながら熱心に課題に取り組んでいます。しかし決して堅苦しい雰囲気はなく、どちらかと言えば「和気藹々」。学生同士で情報交換をしながら楽しそうにデザインをしていました。
「学生たちには、『モデルルームのような部屋ではなく、自分の部屋をイメージしながら、生活感のある部屋にしなさい』と指導しています。」
とはインテリアデザイン担当の岩村穂波教授の言葉。
その指導が授業の雰囲気にも反映されているようです。

CGでもインテリアデザインに学生の個性が反映される

学生たちはそれぞれが自分の部屋をイメージしながら、間取りにレイアウトしたいパーツを選び出して配置していきます。
「『こけし』を置きたいのに『ダルマ』しかないよ〜!」
「イチゴ模様のカップを作りたいの。イチゴのパターンはどこ?」
自分の使いたいパーツが3Dマイホームデザイナーの中にない時は、インターネット上のデータセンターに接続して、これだというものを探しだし、ダウンロードしてレイアウトしています。
同じ間取りなのに、インテリアデザインの違いによって、見事にそれぞれの学生の個性が3DCGに反映されているのを見るのはとても興味深い体験でした。

「データセンターを利用する前は、ソフトの中のパーツだけでレイアウトしていたので、みんな同じようなインテリアになっていましたが、データセンターを利用するようになってからは、学生たちの個性が自由に表現できるようになったので、幅広いバリエーションの作品が仕上がるようになりました。」
と、参観授業を解説してくださった迫垣内教授は言います。
簡単操作のCGソフトでも、それぞれの個性が反映できるくらい、3Dマイホームデザイナーデータセンターは多種多様なパーツを用意しているということでしょう。

学生の作品はイントラネットで公開しています

学生たちの力作は、学科建物内の壁面に掲示したり、学校内でのみ閲覧できるイントラネットで、学生たちがいつでも見られるように公開されています。
3Dマイホームデザイナーで作成した3DCGはもちろんのこと、CADの図面や写真などを多用して作成されたプレゼンボードはなかなか見応えがあります。
「先輩たちが作ったこれらの作品を、後輩たちが見ることで、勉強になりますし、目標にもなりますので。」
そういう迫垣内教授は、学生たちが課題作成時に手助けとなるようなノウハウを「3Dマイホームデザイナーヒント集」としてイントラネットで公開し、学生の便を図っています。

迫垣内裕教授のお話

インテリアデザインは、自分の個性を生活に反映できるので学生たちも興味を持って学んでいますが、3Dマイホームデザイナーを使えば、よりわかりやすく楽しく学んでいくことができます。学生たちはこのソフトの操作がとても楽しそうです。
このソフトで3D空間を作成してから、二次元CADの授業をおこなうと、非常にスムーズに理解が進みます。

※本レポート内のすべての情報は取材当時(2010年1月)のものです。