女子栄養大学は、管理栄養士や家庭科・養護の教員を養成しています。そんな教師の卵たちを指導するのが尾崎沙和子教授。尾崎先生は家庭科の住居学の授業で、3Dマイホームデザイナーを取り入れています。

女子が苦手な空間把握に活用

住居学の授業の中に、限られた空間を設定して家具や住宅設備を配置させ、図面上での広さの把握や動線などを考えさせるという課題があります。まず学生に平面図上でレイアウトをプランニングさせ、平面図で空間を考えてもらいます。しかし、空間的な把握は女子にとっては比較的苦手な分野なので、平面上でレイアウトしたものが実際の空間で問題がないかどうかをなかなかイメージできません。

そこで、3Dマイホームデザイナーを活用して、各々が作成した平面図をもとに3Dに入力させて、わかりやすい立体空間で自分のプランを確認させようというわけです。

パソコンのソフトはみんな得意

学生のみなさんはパソコンの操作はまったく苦にならない様子で、平面図をもとにどんどん3Dマイホームデザイナーに3Dデータを入力していきます。課題は、6畳のダイニングキッチンを作成して、その中のレイアウトを考える、というものですが、みなさん家に関する興味が高く、操作が早い学生はダイニングキッチンに隣接する部屋まで作っている猛者もたくさんいます。ただし、空間的な広さ(狭さ)はなかなか認識できないようで、キッチン、ダイニングテーブル、冷蔵庫からテレビまでをぎっしりと置いてしまい、「これだと人が通れませんよ」とか「冷蔵庫が開けられませんよ」といった注意をされている人もちらほら。3Dマイホームデザイナーの立体表示で確認してみて、なるほどと理解するシーンが多数みられました。

学生が作成した作品

学生が作成した作品

カラーコーディネートに興味津々

授業の後半、弊社のスタッフが3Dマイホームデザイナーの操作について質問を受け付けると、さすが女性だけあってカラーについての興味が高く、家具の色変えについての質問などがでていました。ソファなどの一部だけを色変えしたいというリクエストに、「パーツセットの下の階層に降りて・・・」という技術的な回答をしても、自分の好みにしたいところだけに理解も早く、さっそくパーツの編集にチャレンジしていました。


担当教授尾崎沙和子先生のお話

住居学は家庭科教職課程の必修科目ですが、学ぶ時間が極めて少ないのが現状です。
その点、3Dマイホームデザイナーを使っての授業は次のようにたくさんの利点
があることが分かりました。

  • 学生は操作の覚えが早く、演習を通していつの間にか「自分の毎日の住まい」 に思いを馳せ、積極的に3Dで表現しようとします。
  • 色がついていること、家具のサイズを変えられること、手直しが簡単なことな どが興味につながっていると思います。
  • 平面図で基礎を学べば、3次元の空間で実体験することができ、住まいを考え ることの楽しさや生活への関心につながります。

※本レポート内のすべての情報は取材当時(2009年11月)のものです。