導入事例

Case 7

新研究棟建設プロジェクトにおける
オフィスデザインの共有ツールとして活用

エーザイ株式会社メディスン開発センター
ファーマシューティカル・サイエンス・テクノロジー機能ユニット 製剤研究部
山中敦司 氏

山中氏は、医薬品メーカーのエーザイ株式会社・生産技術職としてこれまで製薬工場で製造設備の保守メンテナンス・技術開発、ファシリティの営繕などの業務をご担当。現在は研究職として製剤開発部門で2022年秋竣工予定の新研究棟の建設プロジェクトに参画されています。
3Dデザイナーシリーズは、新研究棟内に作られるオフィスのデザイン検討にご利用で、オフィス家具メーカーの提案プランを自ら3Dパースで再現し、プロジェクトメンバーとの共有に活用されています。
メガソフトの3Dデザイナーシリーズを選ばれた理由と、3Dデータを活用したプレゼン会の様子を伺いました。

直感的に使い易く、日本のメーカーの家具や什器が収録されている
山中様

- 現在建設中の新施設内のオフィスレイアウトを山中様が3Dデザイナーシリーズで再現されていると伺いました。3Dデザイナーシリーズをお使いになってみていかがでしたか?

山中氏 : はい。導入してすぐオフィス家具メーカーの提案プランを3DCGで再現しました。
長年、AutoCADを使ってきたため、画層・座標・縮尺の考え方には慣れていましたが、それ以上に、3Dデザイナーシリーズは直感的に使い易いです。ソフトウェアの購入と同時期にマニュアル本を購入しましたが、複雑な躯体編集をするようになってからようやく開きました。
また、日本製のソフトウェアであること、日本のメーカーの家具や什器が収録されていることも魅力だと思います。
山中氏が作成した新オフィスの3Dイメージ。3Dデザイナーシリーズでオフィス家具メーカーの提案プランを360度自在化した。

山中氏が作成した新オフィスの3Dイメージ。
3Dデザイナーシリーズで新オフィスのイメージを360度自在化した。


新オフィスを3Dイメージで示すことで、新オフィスでの働き方を提案できた

- ありがとうございます。
新しい研究棟内のオフィスづくりに、なぜ3Dが必要だとお考えになったのでしょう?

山中氏 :私が参画しているのは新しい研究棟内のオフィスプランニングです。
これまでは、研究員の居室は実験室に隣接してグループごとに階を隔てられていましたが、新しい研究棟では全員がワンフロアに集結し、グループの枠を超えたコミュニケーション重視のオフィスにしようとしています。これは、新オフィスのコンセプトのひとつでもあります。
これまでは実験室に隣接して部署ごとの居室があったが(図左:Before)、新オフィスでは全員が1フロアに集結する(図右:After)(お話をもとにメガソフトが作成したイメージ)

これまでは実験室に隣接して部署ごとの居室があったが(図左:Before)、新オフィスでは全員が1フロアに集結する(図右:After)(お話をもとにメガソフトが作成したイメージ)

また、新しいオフィスづくりや運用方法をプロジェクトメンバー自ら考えていくというやり方も初めての試みです。
そのどちらも成功させるには、どんなオフィスになるのかをプロジェクトの早い時期から見える化し、新オフィスでの働き方をイメージしやすくする必要があると思いました。そのためには、3Dで見える化できるツールが必要だったのです。

- 3Dデザイナーシリーズはどのようにご活用いただいていますか。

山中氏 :まず、プロジェクトのメンバーでの打ち合わせに活用しました。
現在、プロジェクトメンバーは、それぞれ別の棟で働いていますので、全員集まるには、会議室の予約や棟間の移動などの時間も必要ですが、3DイメージがあればWeb会議システムを使って画像を共有しながら打ち合わせができます。これはとても便利でした。
イエクラウドを活用して、研究員へ新オフィスのAR体験会を実施
山中氏 :もうひとつ、研究員に向けてイエクラウドのAR機能を使ったオフィス体験会を開催しました。こちらも非常に好評で、新しいオフィスがどうなるのかというイメージの共有はもちろんですが、ワクワク感を演出できたのも良かったと思います。
イエクラウドの使用イメージ

イエクラウドのAR機能を利用したオフィス体験会を、屋外で実施。
3Dデザイナーシリーズで作成したプランデータをイエクラウドにアップロ―ドし、
スマートフォンアプリのAR機能で3Dデータを実寸表示すると、室内を歩いて回る体験ができる。

- 貴社のオフィスプロジェクトのお役に立てて光栄です。
ところで、山中様は当初3Dオフィスデザイナーをご購入いただいたと伺いました。
その後、3Dデザイナーシリーズの上位版にグレードアップしていただきましたが、その理由を聞かせてください。

山中氏 :今回はオフィスレイアウト検討が目的でしたので3Dオフィスデザイナーを購入しました。
その後、別のフロアにある会議室やアメニティスペースも描く必要が出てきたのと、新オフィスの3Dイメージを見たメンバーから、ユーティリティスペースも3Dでレイアウト検討したいという声も出てきました。
また、ラウンジは3階から2階へつながる階段が併設され、カーテンウォールに囲まれた吹き抜け構造となっているのですが、解放感のある雰囲気を表現するために、貴社の3Dデザイナーシリーズの中で最も多機能で複数階にも対応している上位版へアップグレードしました。
3Dデザイナーシリーズ・最上位版の機能をフル活用して作成した吹き抜けのイメージ

3Dデザイナーシリーズ・最上位版の機能をフル活用して作成した吹き抜けのイメージ

- そうでしたか。描きたいものの範囲が広がったので、アップグレードしていただいたのですね。
さて、もう間もなくプランが確定すると伺っています。今後のオフィスプロジェクトや完成後のオフィス運営で、3Dデザイナーシリーズをどのように活用していこうとお考えですか?

山中氏 :オフィススペースは、什器を整然と並べるのでなく、デスク間を縫って歩くことによる「出会い」の機会を増やすレイアウトにしています。建物竣工後も定期的に席替えや模様替えを行い、「出会い」を増やし、居室の雰囲気のリフレッシュを図っていくことが大切だと考えています。
3DデザイナーシリーズはCAD操作を知らなくても扱えるユーザーフレンドリーなツールです。メンバーが気軽に活用して、将来の席替えをより効果的にスムースに運営していけると良いです。
また、収納棚やオフィス家電などの維持管理、天井照明や天井カセットエアコンの設備管理、棚の造作や色調シミュレーションなどのファシリティマネジメント的な用途にも活用できればと考えています。
山中氏が作成した工作室と保管室のイメージ。どちらも収録素材で30分くらいで描けたという。

収録素材のみを配置して30分くらいで描けたという工作室(図左)と保管室(図右)のイメージ。
オフィス完成後も「ファシリティマネジメント的な用途にも活用していきたい」と山中氏。


- 新しいオフィスの完成が楽しみですね。その時はぜひ見学させてください。
本日は貴重なお話をありがとうございました。

(2021年10月)