企画部 ハウスプランナー
鈴木惣一朗 氏
株式会社フルハウス(東京都新宿区)は、「お客様の夢を実現する」をテーマに、南フランス・プロヴァンス地方の外観と、自由に企画できる建売住宅=自由住宅を会社ブランドとするハウスメーカーです。
お客様の要望を取り入れやすい早期契約に導き、より深く建物内外を理解していただくためのツールとして、メガソフトVRソリューションを導入されました。
導入の経緯やVRの効果など、ハウスプランナーの鈴木惣一朗氏にお話を伺いました。
− メガソフトVRソリューションを導入するまでの経緯を教えてください。
私共は「自由住宅」という分譲住宅と注文住宅の両方の良いところを掛け合わせたような家づくりを進めております。分譲住宅は家の間取りや住宅設備などはあらかじめ決まっているのですが、早期にご契約いただくと、間取りや設備などお客様のご要望に合わせて変更できるというものです。時には土地の区画から変更することもあります。そのためには、なるべく早い段階でご契約いただくのがお客様にとっても、私共にとっても利益になるのです。
お客様の要望に合わせて間取りや区画変更も可能なフルハウス社「自由住宅」(写真提供:株式会社フルハウス)
これまでは、間取り図面と、手描きパースでお客様とイメージ共有をしていましたが、今ひとつ現実感が出せないでいました。住宅模型も作ることがあるのですが、パース以上に費用が掛かる上、発注から完成まで2,3週間かかってしまうので、お客様をお待たせしてしまいます。そこで、自分たちで描いたプランをすぐに見てもらえる営業ツールとしてVRシステムを探していました。
社内で製作していたイメージパース(株式会社フルハウスのHPより)
− 弊社を含めて数社のVRシステムをご検討されたとのことですが、決め手は何でしたか?
はい。2、3社のVRシステムと比較検討しました。
決め手は、実際にお客様の目の前でプレゼンをしながら色や柄を変えられることと、今後の展開を考えたときに、2台目3台目を導入しやすい価格帯でしょうか。結果に繋がって、回収率が高いと考えました。
色々なところで使いたいので、手軽に持ち運べて簡単にセッティングができることも大きなポイントでした。
− どのくらいの頻度でお使いいただいていますか?
2017年12月に導入してからは、毎週現地にVRソリューションを持って行って現地の間取りをVRで見ていただいています。テントがあるところ、プレハブがあるところ、机だけなど現地の状態はいろいろですが、どこでもセッティングできますからね。
− 実際にVRをお試しになったお客様の反応はいかがですか?
すごくいいですね。
例えば、図面で見ると部分的に狭くなっている箇所が問題になりそうだなと思っていたのでそこをVRで見ていただいたところ、「思ってたより広い」とご安心いただいたことがあります。
「ここがよくわからないので家が建ってからまた来ます。」と不安感がネックになって決断できないというお客様もよくいるのですが、VRで見ていただくことで「これなら大丈夫だね」と言っていただきやすくなりました。
言葉や図面では伝えにくいところも、VRで事前に見ていただくことでお客様は安心してくださるのだな思いました。
また、ご契約済みのお客様がVRで見たときに、図面を見ながら何度もご説明していたのですが「そこってそういう仕上がりになるんですね」とおっしゃられたことがあって、作る側の当たり前はお客様の当たり前ではないんだということが理解できた瞬間でした。
そういう”気付き”もVRならではの効果かなと思います。
メガソフトVRシミュレーションの利用イメージ(写真提供:株式会社フルハウス)
− 今後はどのように活用されていきますか?
ひとつは先ほどもお話ししたように集客効果を期待するのと、VRソリューションは空間のイメージをつかみやすいので来ていただいたお客様への後押しに使いたい。
採光シミュレーションの機能があるので、周辺の建物や隣の家が建った後の採光がどうなるかを見ていただくというのは、安心材料に繋がると思います。
もう少し慣れたら魅力的なウォークスルーも作ってみたいですね。
お客様の思い描いていることを事前に形にできるというのはお客様の後押しになると思っています。
自由住宅=自由にできる建売住宅という弊社のような形態はあまりなくて、こういうスタイルの弊社にとっては、私たちの思っている家づくりの方法を形にしやすく、お客様の夢もかなえられるというツールだなと思います。
お客様と私ども、双方の利益につながることを期待しています。
− 本日は貴重なお話をありがとうございました。