迫垣内 裕 教授
比治山大学短期大学部
総合生活デザイン学科
比治山大学短期大学部総合生活デザイン学科のハウス・インテリア系列では、1999年からいち早く3Dマイホームデザイナーを導入し、住・インテリア分野の授業に利用しています。教育における3Dツールの有用性を熟知している同校が、今回メガソフトVRソリューションを導入した意義と今後の建築VRの可能性について、迫垣内教授にお話を伺いました。
− 住やインテリアの教育に携わる御校がVRを導入された目的は?
迫垣内教授:私どもでは、20年近く前から住・インテリア教育における3DCGの有用性に注目してきました。インテリアデザインは空間デザインですから、図面だけではイメージを作ることも伝えることも難しいです。
その点、3DマイホームデザイナーPROは、CADよりも気軽に平面プランを作成でき、それを瞬時に3D化できます。そのためインテリアデザインをわかりやすく、そして楽しく学ぶことができるので、いまや学生の標準的ツールになっています。
その3DマイホームデザイナーPROのデータをそのまま使える建築VRが開発された、ということで、授業の質の向上や学生のスキルアップに繋がる活用法を探るためにすぐに導入を決めました。
建築VRは一時の流行りというものではなく、住・インテリア分野において設計だけではなく、教育面でもスタンダードなツールになっていくと確信しています。
当学科でいち早く導入・活用していくことで、ハウス・インテリア系列を主に学ぶ学生の建築VRの習熟と3D技術の向上をはかり、将来的に住・インテリア業界で活躍できる人材を育てていくことが、本学科教員としての役割であると考えています。
− メガソフトVRソリューションの反響はいかがですか?
迫垣内教授:3DマイホームデザイナーPROでインテリア空間を3D化することで、学生たちそれぞれが個性を活かしたり、設計条件を踏まえたインテリアをデザインできるようになりましたが、PCの画面上では実在の住空間と同じようなスケール感が把握できません。
その点、メガソフトVRソリューションなら、距離感やスケール感が、まるで実在の住空間にいるようにリアルに体験できます。学生が作った画面上の空間が、学生自身の目線で本物の空間のように体感できること、デザイン経験が未熟な学生にとって、これはたいへん有益な経験になりますね。
さらに、VRヘッドマウントディスプレイの立体視効果で、3Dモデルの状態を精確に把握できるので、3Dパーツが机上の水平面から浮いていたり、パーツ同士が貫通していたり、といった3D作成上のミスを発見しやすくなるという副次的な効用もありました。
− メガソフトVRソリューションの現在の利用法と今後の活用計画について教えてください。
迫垣内教授:現在は、メガソフトVRソリューションを導入して日が浅いので、ゼミ活動でVRに習熟しながら、学内・学外へのVR周知活動を中心に進めています。
先日のオープンキャンパスでは、「インテリア空間の作成とVRの活用」と銘打って、学生が講師を担当する模擬授業とVR体験イベントを実施しましたが、これは学生にとっても貴重な経験となったと思います。また、参加した高校生たちからは、「PC画面やプロジェクタに表示されていた部屋の中に、本当に自分が入っている感じがしてすごく不思議」
「3D空間に入り込めるような体験ができてとてもおもしろい」
と、たいへん興奮して楽しんでくれていました。
現状は1セットを導入したばかりですが、その制約下でどういった教育的活用が図れるか検討中です。学生が使いたいタイミングでVRを自由に試すことができる環境が提供できるよう工夫していきたいと思っています。
今後は、授業にも有効に取り入れていきたいですし、ゼミや卒業研究で学生自身による応用方法を発案していってほしいですね。