「京都おぶぶ茶苑」。なんともユニークな名前のこの会社は、京都府相楽郡和束町でこだわりのお茶を生産し、ネット通販で世界に向けて販売している。大学時代に茶摘のアルバイトでこの地を訪れ、そこで振舞われたお茶のおいしさに感動し、大学を中退してお茶農家になったというユニークな出自を持つ代表、喜多章浩氏が創業したという京都おぶぶ茶苑では、STARFAXがなくてはならないツールだという。京都おぶぶ茶苑の販売責任者として、また日本の誇るお茶文化を世界に発信するお茶の伝道師として精力的に活動している松本靖治氏にお話を伺った。
茶農園で作業中のおぶぶ茶苑代表 喜多氏
「とにかく手探りで始めたようなものなので、最初は事務所もなかったんですよ」と京都おぶぶ茶苑副代表の松本氏は屈託のない笑顔で話す。
創業時、販路がまったくなかった京都おぶぶ茶苑は、その頃普及し始めていたインターネットに思いを託し、当時東京で会社員をしていた松本氏が協力してインターネット通販サイト「おぶぶ.com」を立ち上げた。
「インターネット通販ではありますが、クレジットカードの情報はネットで送りたくないというお客様もいらっしゃいますのでFAXでの受付は必須です。でも発足当初はFAXを設置する事務所がない。それに私は東京、喜多は京都と離れていたので、どちらでもFAXを見れるようにしたい。そんな時にSTARFAXのことを知りました。」
松本氏が注目したのはSTARFAXの受信FAXメール転送機能。これを使えばお客様から送られてきたFAXをどこからでも見ることができる。東京の松本氏の自宅のパソコンにSTARFAXが導入され、京都おぶぶ茶苑の直販サイト「おぶぶ.com」がスタートした。
「FAXでのご注文に迅速に対応する、というのもありますが、お客様からの感想FAXも届くので、それをみんなで見たくって。」
松本氏のことばにあった『感想FAX』にふと興味をもって尋ねてみると、そこにはこんなエピソードがあった。
お茶づくりへの真摯な取り組みを続けて少しずつファンがつき始めた頃、ホームページで京都おぶぶ茶苑の活動を知ったあるテレビ局が番組に取り上げてくれた。早朝の番組だったがテレビの反響は絶大で、番組放送直後から注文が殺到してうれしい悲鳴をあげることに。しかし、そんな中にあった初の大口注文が実は取り込み詐欺だった。数百万円の代金は入金されず、発送したお茶もすでに転売されていた。もはや京都おぶぶ茶苑の継続は無理か、と呆然とした日々を送っていたとき、お客様からの感想が届いた。
「コーヒー党の主人だったがおぶぶのお茶を飲んでからすっかりお茶党になった、今年もおいしいお茶を作ってください、そんな感想をいただきました。スタッフ一同で泣きながら感想を読み、もう少しだけがんばってみようと思いました。」
自分たちのお茶づくりに共感してくださるお客様がいることを実感できる、お客様からの感想は京都おぶぶ茶苑の原動力になっている。
STARFAXの受信FAXメール転送機能ならスタッフ全員がどこにいてもFAXを見ることができる。松本氏はハワイに講演で出張したときにも受信FAXの確認を欠かさなかったそうだ。
テレビ取材がきっかけで経営危機を味わった松本氏だが、マスコミの『知らせる力』も実感した。日本の文化であるお茶のよさをもっと知ってもらうために積極的にマスコミへ情報発信していこう、と松本氏は考えた。そこで始めたのがプレスリリースだ。最初は年に数回出す程度だったが、今では週に1回のペースでニュースを発信している。
「お茶は1年を通して収穫がある作物です。それにおぶぶ茶苑では常時、農業体験やお茶の普及活動など様々なイベントを開催しているので、いくらでも伝えたいことがあるんです。」
この熱い思いを伝えるプレスリリースはすべてFAXで配信されている。電子メール全盛の昨今だが「思い」の伝わり方は電子メール<FAX<手紙の順に強くなると松本氏はいう。
「本当は手紙で配信したいんですが、おぶぶはスタッフが4人しかいませんし、経費も余裕がありませんので(笑)」
日々増やしているというリリースの配信先はすでに90社を超えているが、このリリースFAX配信にもSTARFAXは欠かせない。記者の方の目に留めてもらえるように曜日と時間を決めて配信しているがSTARFAXなら配信日時を予約できるので、リリース配信当日にスタッフが出払っていても自動的に送信してくれる。
「STARFAXならパソコンのデータを印刷せずに直接FAXできるので、紙のコストはかからないし、写真が入っている原稿でもすごくクリアに送れます。そのあたりも記事に取り上げてもらえる率をアップさせているかもしれませんね。」
プレスリリースFAXの一例。読んでもらえるように手書きのメッセージも添えるが、実は手書きの文字をスキャニングした画像をTPOに合わせてSTARFAX上で貼り付けていると、こっそり教えてくれた。
リリース配信先の増加に伴いFAX送信も時間がかかるようになり、午前中に配信を開始しても午後遅くまでかかるようになってきたため、スーパーG3モデムの導入を検討しているとのこと。
「おぶぶもようやくモデムを買えるくらいにまでお客様に育てていただけましたので」といいながら、松本氏は最後に自慢のお茶を淹れてくれた。そのお茶の味には、京都おぶぶ茶苑のこころがみっしりと詰まっていた。