仙台市立仙台工業高等学校では様々なソフトウェアを授業に取り入れていますが、3Dマイホームデザイナーは2年生の授業で、間取りプランと3Dパース作成を学習するために導入されています。
このたび、3Dマイホームデザイナーを使用して、地元の小学生に出前授業を実施するというお知らせをいただき、見学をさせていただくことになりました。
今回の出前授業は、経済産業省と文部科学省が連携して平成19年度から展開している、ものづくり人材育成のための専門高校・地域産業連携事業(クラフトマン21)の一環として実施するもので、昨年に続き2年目になるとのこと。様々なテーマで実施してきた出前授業ですが、今回は小学生が楽しみながら学べるように3DCGを利用した家づくりの授業を行うことになりました。
小学生4人のグループに1人の割合で高校生が講師を担当し、3Dマイホームデザイナーの基本機能を説明しながら平面プランの作り方を説明していきましたが、さすがは近頃の小学生。パソコンの扱いには慣れていて、すぐに3Dマイホームデザイナーの使い方をマスターしたようで、どのグループもスムーズに作業が進行していきました。
平面図を立体化してからは、日ごろゲームをやっている成果なのでしょう、水を得た魚のように様々なパーツを配置して、家づくりを楽しんでいる様子。季節柄、サンタクロースやトナカイが登場したり、ジェット旅客機やロケットを見つけてきて配置したりと、ややエスカレートしすぎるグループもあり、講師の高校生が纏め上げるのに苦戦するシーンも。
それでも、さすがは日ごろ建築を学ぶ高校生たちで、最後はどのグループもしっかりと3Dパースを完成させ、りっぱな成果発表ができました。
わずか90分ほどの時間で、小学生に3Dマイホームデザイナーが使いこなせるようになるのだろうか、という私たちの懸念をよそに、高校生たちは見事な指導力を発揮し、小学生たちは理想のマイホームを作り上げていました。
出前授業終了後、高校生たちにインタビューをしたところ、「小学生に教えることで、学んできたことを改めて確認することができて、とても勉強になった」と優等生的な答えをいただきましたが、その後、「やっぱ、トナカイとかサンタとかが受けたよね」「忍者とかパンダも大うけだったよ」「家のあちこちにトイレを置く子がいたよね」など、自分たちもけっこう楽しんでいたようです。
小学生たちの成果発表では、「こんな家に住みたいです」という発言がたくさんありました。パーツで遊んでいただけではなく、3Dマイホームデザイナーは小学生たちが理想の家を考えるきっかけにもなったようです。
仙台工業高校建築科教諭の畠山弘幸先生は、「生徒たちは3Dマイホームデザイナーが一番好きなソフトのようです。」とおっしゃっています。
3Dマイホームデザイナーを使った授業は、2年生のときの8時間だけとのことですが、その後も自由に使えるようにパソコンを生徒に開放しているとのこと。3年生になるとCADなど高度な建築用ソフトを学ぶようになるそうですが、手軽にプランニングできて、3Dパースも簡単に作れる3Dマイホームデザイナーは学年が上がったあとも人気だそうです。
「建築設計の楽しさに興味を持たせるのに、3Dマイホームデザイナーは最適な導入ソフトですね。」とうれしいコメントを畠山先生からいただきました。
※本レポート内のすべての情報は取材当時(2008年10月)のものです。
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