アナログレコードを取り込んだ際、曲の中に「プチッ」というノイズが入っていることがあります。レコードプレイヤーの針がレコードの盤面に乗った瞬間に出るショックノイズや、盤面のキズやゴミを針がトレースしたときに出るスクラッチノイズがこれに当たります。このようなノイズは、「ノイズ除去」コマンドではなかなか取り除くことはできません。 このような場合には、「部分削除」コマンドを使いましょう。「部分削除」は、トラックの任意の箇所の音を削除する機能です。 部分削除の作業は、以下のようにして行ないます。
編集パネルから「部分削除」をクリックします。
すると、トラックの波形グラフを表示した[部分削除]ウィンドウが表示されます。波形グラフは左端がトラックの開始時間、右端がトラックの終了時間を表しています。また、波形は上下幅が大きいほど音量が大きいことを表しています。 以前に紹介した「抽出」コマンドと同じように、まず再生ボタンをクリックしてトラックの演奏を聴きながら、[マーク]ボタンをクリックして部分削除の開始位置を設定。続いて、同様に演奏を聴きながら、[マーク]ボタンをクリックして部分削除の終了位置を設定します。開始位置と終了位置が設定されると、その範囲が緑色に表示されます。
範囲指定された状態のとき、時間表示部分の逆三角形のツマミか、開始位置と終了位置の破線にポインタを合わせるとポインタが「←→」となります。ドラッグすると開始位置や終了位置を変更することができます。
部分削除を行なう範囲が決まったら、[部分削除]ボタンをクリック。すると、範囲指定部分が削除された波形グラフが表示されるので、再生ボタンをクリックして演奏を確認してみましょう。この状態で再び範囲指定を行ない、別の箇所に部分削除処理をすることもできます。
よければ[処理実行]ボタンをクリックして、処理を実行します。 ミュージックCDデザイナー3の「部分削除」コマンドは、[部分削除]ボタンをクリックしただけでは処理は行われません。[キャンセル]ボタンをクリックすると、処理を取り消すことができます。
針音ノイズを削除するとき、注意しなければいけない点は「ノイズが曲中にある」ということです。削除する範囲を大きく取りすぎると、削除した部分で曲がズッコケたように聞こえてしまいます。 そこで、「部分削除」で針音ノイズを削除するときは、[ズームアップ]ボタンを使って波形グラフを最大にまで拡大。削除する範囲は、必要最小限にとどめます。 その場合、演奏を聴きながら[マーク]ボタンをクリックして部分削除の開始位置を大まかに設定したら、波形グラフを最大にまで拡大。針音ノイズが発生して波形グラフの振幅が大きくなっている部分の始まりまで、時間表示部分の逆三角形のツマミをドラッグして正確な開始位置を決めます。終了位置の設定も、波形グラフを最大に拡大した状態で、波形グラフの振幅が大きくなっている部分の終わりまで再生ポインタをドラッグして[マーク]ボタンをクリックします。 針音ノイズは100分の4〜5秒という極めて短い時間なので、上記のように波形グラフを最大に拡大して必要最小限を削除すれば、処理後の演奏も削除した部分が気になることはありません。 アナログレコードをCD化したい人は、ぜひこのテクニックを使いましょう!
<木村公彦>