楽器の音に影響がある周波数帯域は、例えばバスドラムの膨らみを出すには100〜200Hz、ベースの重量感を出すときには250〜800Hz、音のきらびやかさを出すには2〜8KHzといったぐあいにある程度の範囲を持っています。
これは、楽器の音が複数の周波数の音が混ざり合った音で構成され、ある程度の音域で演奏するためです。また、楽曲ごとに使われている楽器や音色も異なっています。
そこで、グラフィックイコライザーが効いていないフラットな状態から、試聴しながら各スライダーを動かし、強調したいあるいは抑えたい楽器の音質に一番影響があるスライダーを探しましょう。スライダーは左が低い周波数、右にいくほど高い周波数となっています。
また、プリセットで大まかに音質を調整して、そこから自分なりにエディットする方法も有効です。
このとき注意したいのが、250〜500Hzの中音域です。この周波数帯域には、ベース、ボーカル、エレキギターの低音弦のカッティング奏法などの帯域が一部重なっています。スライダーを動かすと一緒にこれらの音も増減してしまうので、アンサンブルのバランスが崩れてしまう可能性もあります。影響があるほかの楽器も聴きながらスライダーを調整するようにしましょう。
なお、この中音域を下げると、カーステレオで再生したときにボコボコした共鳴が抑えられて聴きやすくなります。
また、周波数帯域を強調した場合、曲全体の音量が上がってしまい一緒にCDに焼き込む他の曲とのバランスが悪くなってしまいます。そこで、グラフィックイコライザーを使った後に、[レベル調整]コマンドで音量レベルを揃えるようにしましょう。
曲をよりよく聴かせるのもグラフィックイコライザー次第。かけ過ぎには注意して、ベストな音質でCD再生を楽しみましょう!
<木村公彦>
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