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波形グラフを利用した編集において、ポイントとなる点は、波形として表示された楽曲データに対して、編集コマンドを適用するための「箇所」や「範囲」を指定(選択箇所の指定)する操作です。
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波形グラフの表示では、コマンドが実行される位置を指定するのが主な目的です
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指定する選択箇所の数やその意味は、実行している編集コマンドの種類によって異なります。基本的には、選択範囲の開始点と終了点の2点をひと組として選択するタイプが主になりますが、コマンドによっては編集コマンドを開始する「点」のみを選択するタイプや複数の開始点を選択できるものもあります。
こうした「選択箇所のタイプ」別に編集コマンドを分けると、以下のようになります。
開始点と終了点を選択するタイプ
1点のみを選択するタイプ
複数の点を選択するタイプ
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「ミュート」「抽出」「部分削除」コマンド
「無音の挿入」コマンド
「分割」コマンド |
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●なお、今回はさまざまな用語が登場してきますので、下の図を参考にしていただければ、より理解が早いかもしれません。
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さて、基本となる操作は、選択箇所の指定です。これには、大きく分けて2つの方法があります。
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1.時間軸上をクリックして指定する
まず最初は、波形グラフのウィンドウに表示される「時間軸」をクリックして指定する方法です。時間軸とは、波形グラフの横軸(時間を表します)の目安となる表示です。これは、波形グラフの上部に表示されています。
選択箇所を指定するには、時間軸部分をクリックすればOKです。ここで時間軸部分とは、時間の目安が表示されている部分と、その上部の領域を指します。
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選択箇所が指定されると、時間軸の上部に、下向きの三角形の形をしたツマミ(以下、単に「ツマミ」と省略します)が現れ、その位置から波形グラフ上に破線が表示されます。この破線は選択箇所の位置を示していますので、波形グラフ上のどの点が選択箇所となっているのかが、一目で判別できるようになっています。
ここで注意する点としては、波形グラフ自体をクリックした場合です。この操作をしても、選択箇所を指定することはできないからです。
この操作を行うと、マウスをクリックした箇所に「点滅する縦線」が表示され、試聴開始点として設定されます。
2.試聴中に[マーク]ボタンを使用する
もうひとつの方法が、試聴中に[マーク]ボタンをクリックする方法です。試聴方法に関しては後ほど説明しますが、試聴を行っている途中に、試聴用の操作ボタンの下にある[マーク]ボタンをクリックすると、クリックした時点で再生されていた位置(点滅する縦線のあった位置)に、選択箇所が指定されます。
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波形グラフを表示した状態では、実際の曲がどのように聞こえるのか、試聴することができます。これにより、「波形グラフの表示と、実際の曲がどのように対応しているのか」といったことや「選択した箇所が実際の曲のどのあたりにあるのか」といったことが簡単に確認できます。
前述のとおり、[マーク]ボタンを利用することで、試聴中に選択箇所の指定を行うこともできます。
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試聴に関する操作は、ウィンドウ左下の試聴用の操作ボタンで行えます
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試聴の操作は、波形グラフのウィンドウの左下に表示された試聴用の操作ボタンで行うことができます。試聴用の操作ボタンは、左から順に、[前方頭出し]ボタン、[再生/一時停止]ボタン、[後方頭出し]ボタン、[停止]ボタンの4つです。
基本的には基本画面で表示されている操作パネルと同じ操作となっていますが、前方/後方頭出しボタンのみは、特殊な操作となります。
これらは、指定した選択箇所の頭出しをするためのボタンとして働きます。
これらのボタンをクリックすると、波形グラフ上に表示された「点滅する縦線」が、指定の位置に移動します。この縦線は、試聴を開始する位置を表しています。なお、波形グラフの初期表示状態では、この縦線はグラフの左端(=曲の頭)に位置しています。
前方頭出しボタンのみは選択箇所がなくてもクリックできますが、その場合は曲の頭が選択されます。
前述したとおり、波形グラフ自体をクリックすると任意の位置を試聴開始点とす ることができますが、クリックではなくダブルクリックすると選択箇所を指定すると同
時にその位置を試聴開始点とすることができます。
なお、すでに指定した選択箇所を試聴開始点に設定したい場合は、[前方頭出し]ボタンや[後方頭出し]ボタンを使うか、ツマミ(破線でもOKで
す)をダブルクリックします。
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一度選択した箇所は、まったく操作ができないというわけではありません。コマンドを実行するまでに、位置の変更や指定の解除(指定した箇所の削除になります)が自由に可能です。
まずは、選択箇所の位置の変更について紹介しましょう。この操作には、以下の2通りがあります。
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1.ツマミを操作する
一般的な方法が、ツマミを操作する方法です。このツマミをマウスでドラッグすることで、選択した箇所の移動が行えます。
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2.グラフ上に表示された破線を操作する
上記の方法で紹介したツマミと同時に、波形グラフ上には破線が表示されます。この破線をドラッグすることでも、選択した箇所の移動を行うことができます。
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破線にマウスカーソルを合わせると、ドラッグ可能なことを示す矢印カーソルに変化します
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注意点としては、選択箇所を指定する操作と同じく、「点滅する縦線」=試聴開始点の扱いが挙げられます。
とくに試聴開始点と選択箇所の破線が重なっている場合には、両者を混同しないように、また操作するポイントを間違えないよう、注意が必要です。
そのため、こういった状況で選択箇所の変更を行う場合には、ツマミを使用することをお勧めします。 |
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ここまでは選択箇所の位置を変更する方法を説明しましたが、選択した箇所を削除して、新たな選択箇所を設定することも可能です。
選択箇所を削除するには、以下の2つの方法があります。
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1.[解除]ボタンを使用する
削除を行う際の基本操作がこれです。削除したい選択箇所をクリックして、[解除]ボタンをクリックすると、その選択箇所が削除されます。[解除]ボタンは、[マーク]ボタンの右隣に位置しています。
ここで重要なのが、“[解除]ボタンを押すと、どの選択箇所が削除されるのか”という点です。これは、ツマミの色を見ることで判別できます。ツマミが表示されている状態では、常にどれか1つが緑色になっていますが、これが[解除]ボタンで削除される選択箇所です。
なお、選択箇所をクリックしなかった場合は、最後に選択した箇所が該当します。
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2.新しい選択箇所を指定する
また、「分割」コマンド以外の場合は、新しく選択箇所を指定すると、以前に指定した箇所は自動的に削除されます。
ただしこの方法を範囲を選択するタイプ(「ミュート」「抽出」「部分削除」コマンド)で使った場合、選択した開始点と終了点の双方が削除されてしまいます。これらのコマンドでは、[解除]ボタンを使う方法をお勧めします。
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こうした選択箇所の編集作業においては、当然ながら、波形グラフのウィンドウが重要なものとなります。
そこで、Ver.3.04からは、波形グラフのウィンドウの大きさが変更できるようになりました。最初の大きさのウィンドウから、ユーザーが希望する大きさに拡大することができます。操作方法は他のウィンドウと同じく、ウィンドウの境界をマウスポインタでドラッグすることで操作が可能です。
ただし、最初に表示されたウィンドウの大きさ以下に縮小することはできません。
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ウィンドウの拡大は、ほかのウィンドウの操作と同じ方法でOKです
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まとめ
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さて、2回にわたって波形グラフの見方と操作方法を解説してきました。波形グラフの表示される編集コマンドは、プロのレコーディング現場でよく使われる、詳細な編集を行うためのコマンドです。
そのため、こうした波形グラフの操作をマスターすることは、ミュージックCDデザイナー3を使ってつくるCDの完成度を高めるために重要なことといえます。
最初は難しいと思われるかもしれませんが、ミュージックCDデザイナー3では、波形グラフ上の操作は簡単にキャンセルができるようになっていますので、とりあえずいろいろな操作をしてみるところから始めてみることをお勧めします。
(ハッシー)
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