注文住宅の効果的な外構デザインについて考えてみよう
注文住宅の外構・エクステリアデザインについて
注文住宅とは、購入者の希望、好みに合わせて設計できるいわゆるオーダーメイドで建物を行う住宅のことです。間取りや外観についても自由に設計することができるため、自由度が高く、独自性の高い家を作ることができます。
今回は、建物の外観のデザインともに、その家の顔になる外構デザイン(エクステリアのデザイン)の抑えておきたいポイントを考えてみたいと思います。間取りもとても重要ですが、敷地にある建物のデザインと外構デザインの関係は、住まいの印象に大きく左右します。毎日が楽しい、映える外観、季節を感じることができる自分達だけのプライベートガーデン(庭)についても考えてみたいと思います。今回は、最低限と思われる必要な外構要素に絞った外構デザインをご紹介します。
貴方だけの素敵な暮らしが可能となるウエルビーイングな空間が可能となるアイディアやヒントの一つになれば嬉しいです。
※エクステリア
住居の外観や外壁を意味するが、住宅敷地まわりのエクステリアを指す場合には一般に屋外構造物の門扉、塀といった外柵、車庫などのほか、庭とそこに設置されるウッドデッキ、トレリス、パーゴラ、植栽、その他の設備なども含め敷地内の外部空間全体をさす場合が多い。インテリアの対義語。(Wikipediaより)
酒井先生プロフィール
設計事務所を経て、香港にて店舗開発&プロジェクトマネジャーとして、フィレンツェの建築事務所Studio63と共に、香港、台湾、東京等のアジア地区の店舗出店に携わる。楽しい空間の提案、新しい和の創造や廃材、端材を利用したプロダクトの開発など、生活が楽しくなるそんなものづくりを構築。プロデュースから、インテリア、建築、プロダクト等あらゆるクリエイティヴワークに従事。
国士舘大学理工学研究所特別研究員。九州女子大学(教授~2022年3月)。第一工業大学(現:第一工科大学)(客員教授~2018年3月)。「SIA×DESIGN=HAPPINESS」を合言葉に、活動を行っているデザインユニット代表。
■sia-furniture.com代表 ■公益社団法人日本インテリアデザイナー協会理事 ■大手前短期大学/神戸芸術工科大学 非常勤講師
外構デザインについて考えてみよう
ポイント1:敷地を3エリアに分ける
外構をバランスよく計画するために、建物を中心にエリア分けをして検討します。
今回は、敷地の中を3つのエリアに分けて考えてみます。
・建物エリア
・ガーデンエリア(庭のスペース)
・アプローチエリア(入口と駐車スペース)
周囲の環境、ライフスタイルに対応し、動線や使い勝手を考慮し、家の顔としての機能をエリアに分けて考えてみます。
ポイント2:3タイプの外構デザイン
前面道路や隣地、建物との関係性、プライバシーを確保するという観点からまとめる方法です。
庭の活用方法やプライバシーに影響を与えますので、これから、未来の楽しい暮らしを想定した活用を考慮したいところです。
外構のスタイルには大きく3つあります。
①オープンスタイル ②セミオープンスタイル ③クローズドスタイル
ポイント3:シンプルな要素による組み合わせた外構デザイン
外構に必要な要素を最低限に絞りこみ配置する方法です。
今回は、以下の要素に絞り配置します。
・門扉&門柱(照明付き)
・宅配ボックス付きポスト
・駐車スペース(1台)
・塀(フェンスなど汎用品含む)
・テラスウッドデッキ&植栽
特にアプローチエリアは、住宅全体の雰囲気を向上させる重要なポイントとなります。
美しさと機能性を両立させるために、建物との調和や動線を考慮したデザインです。
ポイント4:2つのデザインスタイルにあてはめて外構デザインを考える
▢北欧風ナチュラルデザインを参考にした外観&外構デザイン
北欧デザインは無駄を省いたシンプルなデザイン(ミニマムなデザイン)であり、家具やインテリアは直線的で洗練された形状が多いのが特徴です。
白、ベージュ、ライトブラウンなどの自然を感じさせるナチュラルな色が多用することで自然のぬくもりを感じさせ、明るく開放感のある空間が可能となるデザインスタイルです。
▼POINT
・シンプルでミニマリストなデザイン
・自然素材の使用
・明るいカラーとナチュラルな色調
・機能性と快適さ
▢モダンなデザインスタイルを参考にした外観&外構デザイン
装飾を控え、機能性を重視した無駄を省いたシンプルなラインや形状が特徴です。必要最低限の要素だけを取り入れ、空間の無駄をなくしたデザインといえます。モダンなデザインスタイルの建物の外観はシンプルな直線や四角形、長方形などの幾何学的な形状が多いのが特徴です。モダンデザインでは、フラットな屋根や低い傾斜の屋根がよく使われます。
白、黒、グレーなどのモノトーンの色が主流で洗練された印象を与えることが可能です。また、黒と白などの強いコントラストを利用することで、視覚的なインパクトを与えることが可能です。ガラス、金属(ステンレス、アルミニウム)、コンクリート、天然木材など異なる素材を組み合わせることで、視覚的な興味を引き立てることが可能となるデザインスタイルです。
▼POINT
・シンプルなラインや形状(シンプルでミニマムなデザイン)
・自然素材と工業素材の組み合わせ(異素材の融合)
・白、黒、グレーなどモノトーン+アクセントカラー
・視覚的な美しさを強調するバランスの取れたデザイン