東京消防庁 装備部 装備課 技術係
東京消防庁 装備部 装備課は、都内の消防署の消防・救急活動に必要な個人装備(被服)、防火衣、機器類、車両などを管理する部署です。
その中で技術係は、機器類の取り扱いや車両の運転技術を教えたり、消防・救急車両が関係した”交通事故”に関する業務全般をご担当、東京消防庁の職員に対して交通安全の教養なども実施するそうです。
交通事故見取り図メーカーで作成した3Dイメージの活用法などを伺いました。
- 導入のきっかけを教えてください。
東京消防庁:
一般に、交通事故が起きてしまったとき、ぶつかった状態の状況写真を撮れるケースは、実はあまりないのです。ケガ人がいればケガ人の救護を優先するし、車が交通障害になる場合は当該車両を動かしてしまいます。▼車線変更時に起きた接触事故の状況図。(提供:東京消防庁)
上:消防署からの報告書に添えられていた画像
下:技術係が交通事故見取り図メーカーで描きなおしたイメージ
- 東京消防庁における”事故”とはどのくらいの規模からですか?
東京消防庁:
車両が何かしらに接触し、車両の損傷や運転手の方などがケガをすれば、すべて事故として扱っています。▼左折の際に路上看板に接触した例。車両同士でなくても事故として報告書を作成するそう。
(提供:東京消防庁)
ところが、現場からの資料に描かれている見取り図が、とてもわかりづらい。
東京消防庁全体に事故の共有や再発防止を図る際、以前はそれを使って、もう少しこちらで描き加えたり、きれいに描きなおしたりして周知していたのですが、PowerPointやWordで作成したものなので、限界がありました。
現在は、車両の乗車員が撮った状況写真やドライブレコーダーの記録映像があるものは、それを見ながら交通事故見取図メーカーで描きなおして、再発防止に活用しています。
▼赤信号で追い越しの際に起きた接触事故の状況図。(提供:東京消防庁)
上:消防署からの報告書に添えられていた画像(PowerPointで作図)
下:技術係が交通事故見取り図メーカーで描きなおしたイメージ
- 交通事故見取り図メーカーで描くことによるメリットはどこにありますか?
東京消防庁:
まず、きれいな3D画像が簡単に描けることです。さらに、事故の状況を俯瞰で見られるのがいいですね。全体を把握するためには高い位置からのイメージがわかりやすいので、活用させていただいています。
もう一つ、相手車両からの目線で見られること。
私たちは、事故の報告をするだけではなく、事故が起きないようにすることが重要だと考えています。
例えば、緊急走行で赤信号を通過するときに事故が起きてしまった場合、事故が起きたことを関係各所に通達するとともに、注意喚起のための資料を作成して周知しています。
赤信号で通過するときには、「ここに注意してください」、「こういったところに危険が潜んでいるのでしっかり確認してください」といった内容の資料です。
その場合の資料に添える図面も交通事故見取り図メーカーで作成しています。
相手車両からはこういう風に見えているから、当庁の車両はこういうところを注意しましょうね、という話ができます。
▼赤信号交差点通過時の安全確認ポイント(提供:東京消防庁)
- 反響はいかがですか?
東京消防庁:
「最近の装備課の書類がすごいね」と反響は大きいです。「ソフトがすごいんですよ」って言ってるんですが(笑)。- 東京消防庁さまの活動にお役立ていただいていることを、大変うれしく思いました。
本日は貴重なお話をありがとうございました。