テーマ:3Dパース、住宅模型、プレゼン
兵庫県丹波市で創業100年以上の伝統を持つ垣本建設工業株式会社は、土木工事、鋼構造物工事、建築工事を主な業務とする総合建設業者です。
公共事業から民間工事まで幅広く手掛けている中で、近年力を入れているのが住宅事業部。その責任者として3DマイホームデザイナーPROを活用した様々なプレゼンを実施している垣本 太常務にお話を伺いました。
「友人の家を設計したとき、外観デザインにこだわったんですが、それを伝えるには平面図や立面図では無理だなと思いました」
そう言いながら、垣本さんは竣工したご友人宅の写真を見せてくれました。
確かに屋根のかけ方やバルコニー周りのデザインが複雑で、これを一般の人にイメージしてもらうのは図面だけでは無理そうです。そこで垣本さんはネットで3Dソフトを検索し、これなら使えそうだ、ということで3DマイホームデザイナーPROを導入しました。今から7年前のことです。
この時に手掛けたご友人の家は、「住友林業イノスの家外観コンテスト」で見事近畿ブロック特別賞を受賞しました。
それ以降、垣本さんは施主へのプラン提案を3DマイホームデザイナーPROで行うようになりました。 「3Dパースを見せることでお客様からの信頼度がぐんと上がりましたね。なので、3Dパースをいろんなところで使うようになりました」
そんな垣本さんの3Dパース活用法の一つがチラシです。垣本建設工業では手掛けている住宅の構造見学会や完成見学会を定期的に実施しています。その見学会をお知らせするツールがチラシなのです。
垣本建設工業のチラシは手作り感あふれるアットホームなもので、これを一軒一軒ポスティングしているそうです。
「最近の若い世代は新聞をとらない方が多いのでポスティングでチラシを配布しているんです。」
このポスティングチラシに3Dパースを使っているとのこと。構造見学会の時はもちろん、完成見学会の時もチラシを作成する段階ではまだ住宅は完成していません。しかし、どんな家の見学会なのかイメージがあるのとないのではお客様の関心の度合いが全然ちがいます。特にデザインに注力している垣本さんとしては、そこにも注目してもらいたいところ。ポスティングチラシに3Dパースを掲載するようになってから、見学会に参加される方は倍増したそうです。
3Dパースの有効性を実感していた垣本さんは、3DマイホームデザイナーPROの住宅データをそのまま模型にできる「住宅模型作成サービス」がスタートしたことを知ると、さっそく利用をしてみました。
「手ごろな値段で塗装済みの模型ができる、しかも自分でプランした3DマイホームデザイナーPROのデータがそのまま使える、というのがいいですね。」
住宅模型と3Dパースを併用してわかりやすく提案
できあがった模型をお客様に見せたところ、これが大好評。やはり手にとって見せることができる模型はインパクトがあります。
「3Dパースと模型、この二つを使いながらプランを説明すると、すごくわかってもらいやすいんですよ。たとえば『軒天の色はこれでいいですか?』と確認する時も、模型を見せながら『ここが軒天です、玄関から訪れるお客様などにいつも見える場所ですから重要なんですよ』と説明すると、なるほどっ!とすぐにわかってもらえます。」
模型で全体像やいろんな個所を示しながら3Dパースで詳細を見せる、というやり方は「3D」を多角的に活用するというユニークな手法ですが、とても有力なプレゼンスタイルになっています。
垣本さんは、この3Dパースと住宅模型の連携をさらに進めて、実際の住宅もあわせた三位一体のプレゼンで大きな成果を上げています。
「完成見学会の時に、ノートパソコンと一緒にこの模型を持って行くんです。」
見学会に来場されたお客様はまず完成した住宅を見ますが、そのあと、その住宅と同じ形をした模型に注目します。そこで垣本さんはノートパソコンで3DマイホームデザイナーPROの画面を見せてながらこう言うそうです。
「私がこのように3Dソフトで家をプランしています、それをこちらの住宅模型でお見せして間違いのない設計にします、そうしてできあがったのがこの家です。」
3Dマイホームデザイナーでプランした住宅模型と実際に建築された住宅
3DCGでわかりやすくプランしてもらえて、それが手に取れる模型になって、それと同じものが実際に建っている。このわかりやすくてインパクトのあるプレゼンをするようになってから、垣本建設工業に設計を依頼するお客様は3倍にも増えました。さらに、こだわりの家を建てたいというお客様が集まるようになり、坪単価も大きく上がったとのこと。わずか数万円の住宅模型がもたらした効果は絶大だったようです。
これまで作成した住宅模型が整然と並ぶショールーム
ちなみに作成した住宅模型はお客様に差し上げるのではなく、垣本建設工業のモデルルームにすべて飾られています。
その光景はいまではちょっとした街並みのようで、モデルルームを訪れたお客様へのパワフルなプレゼンツールとして、ずっと現役で活躍しているそうです。