テーマ:3Dパース、プレゼン、iPad
広島の気候と風土にあったオリジナル住宅を提案している岡田工務店では、3Dパースをお客様への提案だけでなく、施工時の仕上がりや工法の確認などにも利用しています。しかも設計から営業、大工まで、住宅に関わる全員がiPadを所有しているという先進のIT工務店なのです。
今回は岡田工務店の代表、岡田栄治社長にお話を伺いました。
[ 株式会社岡田工務店のホームページ ]
岡田工務店では自社オリジナル設計の住宅プランを開発していますが、そのブランドネームにもこだわっています。若い世代に向けてコストを抑えながら住まい手とともに成長する家「遊家」、未来を見据えたパッシブハウス「来家」など、ブランドとしての統一感を持たせながらわかりやすくて楽しさも感じさせるネーミングです。
「ブランドの名前は社員全員で知恵を絞って考えます。それぞれの家のデザインがわかりやすく伝えられるようにしています。」
と岡田社長。例えば「遊家」はまだ子供が小さい若い世代に向けて、「子供が遊べる」「将来のリフォームを視野に入れた遊びのあるデザイン」などのコンセプトが「遊」の文字に込められているというわけです。
そして、これらのコンセプトを住まい手にわかりやすく伝える手段として、岡田社長は3Dマイホームデザイナーをフル活用されています。
「遊家」「来家」のホームページ
「例えば『遊家』の場合は将来の生活の変化を見越して、リフォームする可能性があるところは改修の可能性を残しておくことで、初期コストを抑えられますよ、ということがアピールポイントですが、これを説明するのに3Dパースはとても有効です」
その一例として挙げていただいたのが子供部屋のパースです。
クローゼットをオープンベッドに
「子供が小さい時は服やモノが少ないのでクローゼットは不要だけど、いずれ成長したら必要になる。ならば当初はクローゼット部分をオープンにしてベッドがわりにしてはどうか、という提案に作りました。」
と岡田社長。
ベッド部分やクローゼットの扉部分は将来簡単に取り外し・取り付けができるように設えるのだそうです。
確かにこれを見れば、子供が楽しく過ごせそうな部屋であることがよく伝わってきます。
「他にも遊家では『回遊廊下』というものを提案していますが、それもこんなパースで子供が遊び回れる雰囲気を伝えています」
岡田社長が作るパースの特徴は、住まい手がそこで暮らす日常を感じてもらえるようにしていること。そうすることで、楽しみながら後悔のない家づくりをしてもらえるというわけです。
岡田社長は、これらの3DパースをすべてiPadにいれて持ち歩いているそうです。
「お客様への提案資料として作った3Dパースは、そのままこれからのお客様へのプレゼン資料になりますから」
と言いながら、iPadを取り出して案件ごとにまとまった様々なパースを見せてくれました。
そんなパースの中に住宅の一部が大きくクローズアップされた画像があり、不思議に思って尋ねてみました。
「これはどちらかというとうちの大工との施工確認用ですね」
と岡田社長。
実は、岡田工務店では社員はもちろん、大工全員にiPadを支給しているのだそうです。
岡田社長自らがiPad研修会を実施して使い方を徹底指導した結果、いまでは68歳の大工さんもiPadをフル活用しているのだとか。
「こういった施工確認用の3Dパースはもちろん、外観・内観パースや各種図面などはすべてiPadのDropboxを使って全員が情報共有しています」
3Dパースで仕上がりを確認すれば、間違いのない施工が可能です。iPadで大工全員がこの3Dパースを共有しているので岡田社長が現場にいない時も確実に設計意図が伝わるのです。
「同じパースを見ているので指示は電話でも確実に伝えられます。それにiPadがあればパースを用意してないところでも現場に行かないで指示することもできるんですよ」
と岡田社長。なんと大工さんがビデオSkype(※)で現場の映像を送りながら指示を聞いてくるのだそうです。
※インターネット電話サービスの一つ。iPadのカメラで現地を写し出しながら音声で通話が可能。
スタッフ全員がiPadを所持して、ここまでフル活用している工務店はもしかしたら日本唯一かもしれません。3DマイホームデザイナーPROで作り込んだ3Dパースを満載したiPadを片手に、今日も現場から現場に飛び歩いている岡田社長です。