インテリアを学ぶPractice

プロから学ぶ極意営業トークを超える ビジュアルプレゼンテーション

インテリアコーディネーター 町田ひろ子

Let’s learn the interior.

町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー町田 ひろ子

旧来の営業スタイルが通用しない時代

クライアントとの良い人間関係さえあれば、仕事は自然に入ってくる・・・。
そのような、旧来の営業スタイルは通用しない時代がやってきています。
だからといって、仕事を獲得しようと作り手側が一生懸命になりすぎるあまり、クライアントにとって「一方的な押し付け」として受け取られてしまうようではかえって逆効果になります。
「自分は話下手だから、うまく営業活動やプレゼンテーションができない」と嘆く前に、まずは「生活者」と呼ばれる一般の人たちの静かな声にも謙虚に耳を傾けてほしいと思います。

営業トークを超える ビジュアルプレゼンテーション

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私が米国で学んだことのひとつが、話す言葉を提案の中心に置くのではなく、「Visual=視覚」に訴えるということです。ビジュアル要素は、プレゼンテーションにおいて一番重要なポイントだと捉えています。
クライアントが見たらすぐ理解できるよう、ビジュアルの表現方法に重点を置いて、プレゼンテーションの準備はしっかり慎重に行うべきです。

私が考え出した「インテリアコーディネート」という言葉は、暮らしの中で住まいの主導権を確立させるキーワードといえます。そして少子高齢社会の到来で住まいづくりが大変動を起こしている今日、日本人の感性で再構築できるのは、生活者とそのサポーターとしてのインテリアコーディネーターだと信じて活動しています。

住まいの本質は生き生きとした暮らし

現代の住まいは、残念ながら家族中心の暮らしだけの閉鎖的なものになっています。
住まいは何といっても住み手の日々の快適な暮らしを支えることが基本です。
欧米では住まいやその住環境がその人のアイデンティティーを表わすほど、大切で重要視されています。
住まいが社会生活と密接につながっているのです。

少子高齢社会になった日本にとって、インテリアが他人の目を気にして、家族の為だけの閉鎖的な空間になっていく事だけは避けたいものです。
住み心地の良い家は、家族の会話にもはずみがつくでしょうし、友人、知人との交際も活発になります。
このような生き生きとした暮らしの為にこそ、良い住まいが求められるのです。

プレゼンテーションの基本 聞く力

私はよく住宅、インテリア関連企業に呼ばれ、講演をする機会があります。
その際、来場者の人たちとの心理的距離感覚を縮め、来場者の参加意識を高めるためにも、始めに必ずいくつかクイズ形式で質問をさせてもらうことを習慣にしています。
相手の声に耳を傾けることで相手への理解が深まるだけでなく、また逆に私の意見も聞いてもらえる関係が生まれます。話し上手より聞き上手であれ。聞く力を身につけることが、実はプレゼンテーションの基本になります。

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プレゼンテーションを成功させる3つの要素をツールで補う

クライアントからの要望や相談が寄せられたとき、私たちはイメージをスピーディにまとめ、できるだけ早く提案することを心掛けています。そこで役に立つのがマイホームデザイナー。豊富な収録パーツを駆使し、そして、複数案をすばやく作成します。CADよりも容易な操作性がとても役に立ちます。それら複数プランの中で、話し合いながら方向付けをしていきます。時間をかけて、しっかりした内容で提案することが求められる場合もありますが、多くのクライアントにとって「スピード」と「バリエーション」が重要になるのです。

そして、色々なバリエーションについてコストやメリット・デメリットなどを同時に比較しながら、クライアントの気持ち(モチベーション)を高めてもらうようにしています。「スピード」「バリエーション」「モチベーション」の3つの要素がプレゼンテーションの成否を左右すると考えています。

3Dパースはインテリアコーディネートの必須要素

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私達アカデミーの手掛けるビジュアルプレゼンテーション(視覚的提案)では、直接クライアントと対面してミーティングをしながら、複数の3Dパースからデザインを選んでいただく方式をとっています。
平面図や立面図をクライアントに見しせても、そこから完成したインテリア空間を想像することは、まず無理だと思った方がよいでしょう。

急がば回れ、の発想が顧客満足に繋がる。

インテリアコーディネーター 町田ひろ子

3Dパースは打ち合わせとプランニングがすべて終了して、完成したデザインをお見せするために使われているのが一般的のようですが、私達アカデミーでは反対に、まず3Dパースでインテリアイメージをスピーディに作り上げ、それを活用してデザインを検討するという活用の仕方を取り入れています。そのため、クライアントとの打ち合わせを重ねるごとに、自然と何枚ものイメージパースができ上がります。

通常私達アカデミーでは、プレゼンにあたってデザインを3案ほど作成し、打ち合わせの場ではそれぞれの特徴の違いを具体的に見てもらいながら、クライアント自身に選択してもらいます。複数案用意するのは手間がかかると思われる人もいるかもしれませんが、“急がば回れ”とでもいいますか。
これがクレームの発生しにくい、信頼を得るためのプレゼンテーションとなっています。

「インテリアコーディネーターにとってのマイホームデザイナーは、料理人にとっての包丁です」と私は良く例に挙げます。いつでも持ち運べる手に馴染んだ包丁のように、自分の料理としてインテリアを提案できる手軽さが特徴です。
価格も手頃で、個人でも購入しやすいので、提案ツールとして取り入れることをおすすめします。
完成形をイメージしてもらえるようなビジュアルプレゼンテーションによって、過剰な美辞麗句を並べるような営業トークは、必要なくなります。
これから成長が期待されるリフォーム、リノベーションの営業に欠かせないものとして活用できるでしょう。

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公開日:2015年10月11日